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醍醐味
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だいごみ
ふりがな文庫
“
醍醐味
(
だいごみ
)” の例文
わずかに
滲
(
にじ
)
み出る血液くらいでは致死量に至らないようだ。むしろ
醍醐味
(
だいごみ
)
となって、美味の働きをしているのかも知れない。
河豚は毒魚か
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「そうだ。相手は抱琴だ。ハガキ代は馬鹿にならないが、これは本当の碁の
醍醐味
(
だいごみ
)
だ。今に、猛烈に、はやりはじめるぞ」
胡堂百話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
とこの
豁達
(
かったつ
)
な笑いに忠相もくわわって、ともに語るにたる親交の
醍醐味
(
だいごみ
)
が、一つにもつれてけむりのように立ちこめる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
寒さもまさり来るに急ぎ家に帰れば
崩
(
くず
)
れかかりたる火桶もなつかしく、
風呂吹
(
ふろふき
)
に
納豆汁
(
なっとうじる
)
の
御馳走
(
ごちそう
)
は時に取りての
醍醐味
(
だいごみ
)
、風流はいづくにもあるべし。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
道命は無戒の
比丘
(
びく
)
じゃが、既に
三観三諦即一心
(
さんかんさんたいそくいつしん
)
の
醍醐味
(
だいごみ
)
を
味得
(
みとく
)
した。よって、
和泉式部
(
いずみしきぶ
)
も、道命が
眼
(
まなこ
)
には
麻耶夫人
(
まやふじん
)
じゃ。
男女
(
なんにょ
)
の交会も
万善
(
ばんぜん
)
の
功徳
(
くどく
)
じゃ。
道祖問答
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
私はその
境界
(
きょうがい
)
がいかに尊く
難有
(
ありがた
)
きものであるかを
幽
(
かす
)
かながらも
窺
(
うかが
)
うことが出来た。そしてその
醍醐味
(
だいごみ
)
の前後にはその境に到り得ない生活の連続がある。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
その地獄とも
醍醐味
(
だいごみ
)
ともいえるところに静かにあぐらをかき、守り本尊を念じつつ微笑を
以
(
も
)
って仕事する、そういう職人気質こそ私の理想とする人格なのだ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
まさに
醍醐味
(
だいごみ
)
である。先日の米の味といい、きょうのこれといい、我々が日頃自分の舌を甘やかしすぎて
勿体
(
もったい
)
ないくらいの天恵を忘れさせてることを思わせる。
胆石
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
何の
肴
(
さかな
)
がなくッたって、
甘露
(
かんろ
)
、
醍醐味
(
だいごみ
)
、まるッきりうまさが、違わあな——そりゃあ、俺だって、何も、あいつをどうこうしようッていうんじゃあねえ、酌をさせるだけなら
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
自分の
究
(
きわ
)
めているのは、今の哲学者の見るところによると、欧羅巴文明の
糟粕
(
そうはく
)
かも知れない。かの糟粕を究めつつ、自家の
醍醐味
(
だいごみ
)
も知らないということになると、いい笑い物だ。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この洋行帰りの青年紳士は、室子の家の遠縁に当り、
嘗
(
かつ
)
て彼女をスカールへ導き、彼女に水上選手権を得させ、スポーツの
醍醐味
(
だいごみ
)
も水の上の法悦も、共に味わせて呉れた男だった。
娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
有能な読者は、他人の書いたものの中に、作者がこれに記し止め、かつこれに
具
(
そな
)
わっていると思ったものとは別個の
醍醐味
(
だいごみ
)
をしばしば見い出して、それに遙かに豊かな意義と、
相貌
(
そうぼう
)
とを
雨の玉川心中:01 太宰治との愛と死のノート
(新字新仮名)
/
山崎富栄
(著)
この清潔の
醍醐味
(
だいごみ
)
が欲しかったら、若き詩人よ、すべからく当道場を御訪問あれ。
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
赤松の
樹蔭
(
こかげ
)
に茶店がある。中根さんはそこへ這入る。水潰けになっているラムネを二本註文する。みぞれをかいてもらって、それへラムネをかけて飲む。舌の上がぴりぴりとしてその
醍醐味
(
だいごみ
)
は
蒼涼
(
そうりょう
)
。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
而も俳句がさびを芸の
醍醐味
(
だいごみ
)
とし、人生に「ほっとした」味を寂しく
哄笑
(
こうしょう
)
して居る外なかった間に、短歌は自覚して来て、値うちの多い作物を多く出した。が、批評家は思うたようには現れなかった。
歌の円寂する時
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
翁は外国にあって——わけても英・独・米等の地に永く留まって、フランス料理の
醍醐味
(
だいごみ
)
を
遍
(
あまね
)
からしめたので、『美食の大使』とも呼ばれていた。
世界の「料理王逝く」ということから
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
が、兎に角海彼岸の文学に
疎
(
うと
)
かつた事だけは確である。のみならず芭蕉は
言詮
(
げんせん
)
を絶した芸術上の
醍醐味
(
だいごみ
)
をも嘗めずに、
徒
(
いたづ
)
らに万巻の書を読んでゐる文人
墨客
(
ぼくかく
)
の徒を嫌つてゐたらしい。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし彼の漢詩の英訳は少くとも僕等日本人には原作の
醍醐味
(
だいごみ
)
を伝へてゐない。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
醍
漢検準1級
部首:⾣
16画
醐
漢検準1級
部首:⾣
16画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“醍醐”で始まる語句
醍醐
醍醐天皇
醍醐大納言
醍醐寺
醍醐朝
醍醐村
醍醐風
醍醐路
醍醐辺
醍醐道