“蒼涼”の読み方と例文
読み方割合
そうりょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
立科から桔梗ヶ原へ向けては、灰色の空をしきりに鳥が飛ぶのに、地上の荒野原は、この人ひとりをあるかせるための蒼涼そうりょうたる画面。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あの市街の石のような沈黙のうちに、僕は見たんだ、蒼涼そうりょうたるよるの流に包まれて紅き血汐の暴いバッカントの踊るのを。その屋根屋根をめぐって燐光の燃え、怪しい物かげのゆらゆらと反映するのを。
赤松の樹蔭こかげに茶店がある。中根さんはそこへ這入る。水潰けになっているラムネを二本註文する。みぞれをかいてもらって、それへラムネをかけて飲む。舌の上がぴりぴりとしてその醍醐味だいごみ蒼涼そうりょう
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)