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蒼涼
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そうりょう
ふりがな文庫
“
蒼涼
(
そうりょう
)” の例文
立科から桔梗ヶ原へ向けては、灰色の空をしきりに鳥が飛ぶのに、地上の荒野原は、この人ひとりをあるかせるための
蒼涼
(
そうりょう
)
たる画面。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
あの市街の石のような沈黙のうちに、僕は見たんだ、
蒼涼
(
そうりょう
)
たる
夜
(
よる
)
の流に包まれて紅き血汐の暴いバッカントの踊るのを。その屋根屋根を
廻
(
めぐ
)
って燐光の燃え、怪しい物かげのゆらゆらと反映するのを。
チチアンの死
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
赤松の
樹蔭
(
こかげ
)
に茶店がある。中根さんはそこへ這入る。水潰けになっているラムネを二本註文する。みぞれをかいてもらって、それへラムネをかけて飲む。舌の上がぴりぴりとしてその
醍醐味
(
だいごみ
)
は
蒼涼
(
そうりょう
)
。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
その代りに蒼白い面の表一面に
漲
(
みなぎ
)
るような沈痛の色、それは白日の下で見るよりは燈火の影で見た時に、
蒼涼
(
そうりょう
)
として人の
毛骨
(
もうこつ
)
を寒からしむるものがあります。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
蒼涼
(
そうりょう
)
たる原始的の響きがあるものとは想像されます——君聞かずや胡笳の声最も悲しきを、
紫髯緑眼
(
しぜんりょくがん
)
の胡人吹く、これを吹いてなお未だ終らざるに、愁殺す
楼蘭征戍
(
ろうらんせいじゅ
)
の児……
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
蒼
漢検準1級
部首:⾋
13画
涼
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“蒼”で始まる語句
蒼
蒼白
蒼空
蒼蠅
蒼黒
蒼褪
蒼然
蒼々
蒼穹
蒼味