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しょくざい
ふりがな文庫
“
贖罪
(
しょくざい
)” の例文
長い間の
悔悛
(
かいしゅん
)
と克己との後、みごとにはじめられた
贖罪
(
しょくざい
)
の生活の最中に、かくも恐ろしき事情に直面しても少しも
躊躇
(
ちゅうちょ
)
することなく
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
富者はその美徳をあまり多く享有する事の罪を自覚するがゆえに、その
贖罪
(
しょくざい
)
のために種々の
痴呆
(
ちほう
)
を敢行して安心を求めんとする。
丸善と三越
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
爾後
(
じご
)
、
餓
(
う
)
うるときは鉄丸を
喰
(
くら
)
い、
渇
(
かっ
)
するときは銅汁を飲んで、
岩窟
(
がんくつ
)
の中に封じられたまま、
贖罪
(
しょくざい
)
の期の
充
(
み
)
ちるのを待たねばならなかった。
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
交響詩は「
贖罪
(
しょくざい
)
」と「プシシェ」、それぞれヴォルフの指揮でポリドールに入っているが吹込みが少し古いのと、全曲でないのが惜しい。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
『
贖罪
(
しょくざい
)
の日』において守るべきことが規定せられているだけであったが(レビ記一六の三一)、バビロン捕囚後しだいに断食の日が多くなり
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
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五十日の懲役には行かずに済んだものの、
贖罪
(
しょくざい
)
の金は科せられた。どうして、半蔵としては笑い事どころではない。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして彼らの言葉はすべての悪を弁護し承認する
贖罪
(
しょくざい
)
的な言葉としての貴さをさえ持っておるように見える。
語られざる哲学
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
それはちょうど盜んだ袋を背おわせられて
贖罪
(
しょくざい
)
の苦役に服している業火につつまれた男のような恰好であった。フリードリヒは叔父のうしろからついて行った。
ユダヤ人のブナの木:山深きヴェストファーレンの風俗画
(旧字新仮名)
/
ドロステ=ヒュルスホフアネッテ・フォン
(著)
積むべき
贖罪
(
しょくざい
)
のあまりに小さかった彼は、自分が精進勇猛の気を試すべき難業にあうことを祈っていた。
恩讐の彼方に
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
信心は母に植えつけられた過去への
贖罪
(
しょくざい
)
でもあったが、その日その日の彼女の自制と希望でもあった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それが唯一の
贖罪
(
しょくざい
)
という意であろうか。それとも愛の
証
(
あかし
)
といいたかったのだろうか、——言葉はそこで切れたまま、おなつは崩れるようにそこへ泣き伏してしまった。
契りきぬ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
たぶん
贖罪
(
しょくざい
)
の方法が指示されるだろうとは予想していたものの、先祖伝来の家屋田畑を召しあげることになろうとは、それは、かりそめにも考えに浮んだことはない。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
理由
(
いわれ
)
のない、良心の
呵責
(
かしゃく
)
に悩み疲れている。理由はない、まさに確然と理由はない、それであるのに……。どうして、懲罰とか
贖罪
(
しょくざい
)
とかいう意識がさき走ってくるのだろう。
地虫
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
私はキリスト教の宿罪の思想に非常に興味を感じます。私らの生まれながらの罪を救済するための罪なきものの
贖罪
(
しょくざい
)
としての十字架が、真に愛のシンボルであるとも思います。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
ローマ人は
贖罪
(
しょくざい
)
のささげ物をし、「この森にこもります男神または女神は、どなた様かは存じませんが、わたくしとわたくしの家族、子供たちをおめぐみくださいませ、云々」
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
寧
(
むし
)
ろ必要とするところでもあったので、
笞
(
むち
)
を嬉ぶ
贖罪
(
しょくざい
)
者の気でじっと辛抱して勉強した。
宝永噴火
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
彼は勇ましくも
贖罪
(
しょくざい
)
の生活にはいり、マドレーヌなる名のもとに姿を隠して、モントルイュ・スュール・メールの小都市において事業と徳行とに成功し、ついに市長の地位を得た。
レ・ミゼラブル:01 序
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
内からの反省と外からの
刺戟
(
しげき
)
と、ここに二重の
贖罪
(
しょくざい
)
が行われて来ねばならぬ訣である。
反省の文学源氏物語
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
自分はどんな苦行をしても寂しい世界に
贖罪
(
しょくざい
)
の苦しみをしておいでになる中宮の所へ行って、罪に代わっておあげすることがしたいと、こんなことをつくづくと思い暮らしていた。
源氏物語:20 朝顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
イヴォンヌさんにしろ、
従姉妹
(
いとこ
)
の
槇子
(
まきこ
)
や
麻耶子
(
まやこ
)
にしろ、日本女学園のやんちゃな五人組。……また、叔父の秋作や
立上
(
たてがみ
)
氏。いま、ちょっとした過失の
贖罪
(
しょくざい
)
をしているあの気の弱い佐伯氏。
キャラコさん:09 雁来紅の家
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「
※悔
(
ざんげ
)
の道、
贖罪
(
しょくざい
)
の
浄
(
きよ
)
め、他にあろう、他日ほかに……」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
贖罪
(
しょくざい
)
をなしてるあの修道女が平伏し
祈祷
(
きとう
)
していた覚えの場所の方へ向いて、じっとひざまずいている彼の姿が見られた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
キリストの救いには、
贖罪
(
しょくざい
)
ということと、復活ということと、再臨ということと、三つの事柄がある。第一は贖罪。これは罪をあがなうということです。
キリスト教入門
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
そのたびに徴せらるる
贖罪
(
しょくざい
)
の金だけでも谷中ではすくなからぬ高に上ろうとのうわささえある。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あの有名夫人団は施与をすることによって、自分の
贖罪
(
しょくざい
)
意識と優越感を満足させようとした。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
私の決心はぐらつきません。
贖罪
(
しょくざい
)
をして新しく生まれ変わったら、その
身装
(
みな
)
りをお目にかけに行きます。……キャラコさん、私はあなたにひどい嘘をつきましたが、どうぞ、ゆるしてください。
キャラコさん:03 蘆と木笛
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
娘お染を捜しながら、
贖罪
(
しょくざい
)
の旅は、それから七年の間続きました。
銭形平次捕物控:084 お染の歎き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「仕方がない、
贖罪
(
しょくざい
)
だ!」もう一人の声がこう云った。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
しかも、かくも似寄りまたかくも異なれるそれら二つの場所において、かくも相違せる二種の人々は、同じ一事をなしているのである、すなわち
贖罪
(
しょくざい
)
を。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
事実ほど強い論理はないのでありまして、その意味では十字架の
贖罪
(
しょくざい
)
はだれにでもわかる福音なんです。
キリスト教入門
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
自分の犯した行為のために
贖罪
(
しょくざい
)
をしている、というふうにさえ感じられるのであった。
赤ひげ診療譚:08 氷の下の芽
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
むしろやや
遡
(
さかのぼ
)
ってフランクの『交響曲=ニ短調』(ポリドール八〇〇九五—九八)と『
贖罪
(
しょくざい
)
』、(四〇四七八)、シャブリエの諸作品を吹込んでいるが、そういうものの方が良いのではないかと思う。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
けれどもその
贖罪
(
しょくざい
)
の祭式をも、二人のりっぱな婦人、ブーク侯爵夫人であるクールタン夫人とシャトーヴィユー伯爵夫人とは、なお足りないように思った。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
しかしイエスの死を仰ぐ私どもは、十字架による
贖罪
(
しょくざい
)
の象徴をこの事件の中に見るのです。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
犯人の方に
過
(
あやまち
)
の弊があったとするも、法律の方に刑罰の一層の弊がありはしなかったであろうか。
秤
(
はかり
)
の一方に、
贖罪
(
しょくざい
)
の盛らるる一方の皿に、過度の重さがなかったであろうか。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼の血を献ぐる者は永遠の
贖罪
(
しょくざい
)
を恵まれる。彼は
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
彼の最初の
過
(
あやま
)
ち、彼の長い
贖罪
(
しょくざい
)
、彼の外部の愚鈍、彼の内部の冷酷、あれほど多くの
復讐
(
ふくしゅう
)
の計画をもって楽しんだ彼の釈放、司教の家で彼に起こったこと、彼がなした最後の一事
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「君は
贖罪
(
しょくざい
)
という語をもって、罪悪を意味させるんだろう。」
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
これは極めて
些細
(
ささい
)
なことだ。この些細なことも一つの
贖罪
(
しょくざい
)
だ。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
贖
漢検1級
部首:⾙
22画
罪
常用漢字
小5
部首:⽹
13画
“贖罪”で始まる語句
贖罪金
贖罪的
贖罪符
贖罪羊
贖罪説