見過みすご)” の例文
それはキリストけう教會けうくわい附屬ふぞく病院びやうゐんなので、そのこといては、大分だいぶ異議いぎ持出もちだしたものもあつたが、この場合ばあひこくも、病人びやうにん見過みすごしてことはできなかつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
むねはわくわくと上氣じようきして、うでもけられぬもんきわにさりとも見過みすごしがたき難義なんぎをさま/″\の思案しあんつくして、格子かうしあいだよりれをものいはずいだせば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れど今回の分娩ぶんべんは両親に報じやらざりし事なれば今更にそれぞとも言ひ分けがたく、殊には母上の病気とあるに、いか余所よそにやは見過みすごすべき、し途中にて死なば死ね
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
同形どうけいとすれば加瀬かせおなじくたる貝塚かひづかも、特種とくしゆものではなかつたらうか。八木やぎ水谷氏等みづたにしら見出みいだしたといふ小破片せうはへん今日こんにちほど研究けんきうされてらぬ其時代そのじだいて、普通ふつう貝塚かひづかのと見過みすごしたのではあるまいか。