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藤蔓
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ふぢづる
ふりがな文庫
“
藤蔓
(
ふぢづる
)” の例文
つら/\此
住居
(
すまゐ
)
を見るに、
礎
(
いしずえ
)
もすえず
掘立
(
ほりたて
)
たる
柱
(
はしら
)
に
貫
(
ぬき
)
をば
藤蔓
(
ふぢづる
)
にて
縛
(
くゝ
)
りつけ、
菅
(
すげ
)
をあみかけて
壁
(
かべ
)
とし小き
窓
(
まど
)
あり、戸口は大木の
皮
(
かは
)
の一
枚
(
まい
)
なるをひらめて
横
(
よこ
)
木をわたし
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
しばらくして、
御米
(
およね
)
が
菓子皿
(
くわしざら
)
と
茶盆
(
ちやぼん
)
を
兩手
(
りやうて
)
に
持
(
も
)
つて、
又
(
また
)
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た。
藤蔓
(
ふぢづる
)
の
着
(
つ
)
いた
大
(
おほ
)
きな
急須
(
きふす
)
から、
胃
(
ゐ
)
にも
頭
(
あたま
)
にも
應
(
こた
)
へない
番茶
(
ばんちや
)
を、
湯呑程
(
ゆのみほど
)
な
大
(
おほ
)
きな
茶碗
(
ちやわん
)
に
注
(
つ
)
いで、
兩人
(
ふたり
)
の
前
(
まへ
)
へ
置
(
お
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なん
)
の、お
前様
(
めえさま
)
、
見
(
み
)
さる
通
(
とほ
)
り
二十八方仏子柑
(
にじふはつぱうぶしかん
)
の
山間
(
やまあひ
)
ぢや。
木
(
き
)
を
伐出
(
きりだ
)
いて
谿河
(
たにがは
)
へ
流
(
なが
)
せば
流
(
なが
)
す……
駕籠
(
かご
)
の
渡
(
わた
)
しの
藤蔓
(
ふぢづる
)
は
編
(
あ
)
むにせい、
船大工
(
ふなだいく
)
は
要
(
い
)
りましねえ。——
私等
(
わしら
)
が
家
(
うち
)
は、
村里町
(
むらざとまち
)
の
祭礼
(
まつり
)
の
花車人形
(
だしにんぎやう
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
垣根の真中から不意に生ひ出して来た野生の
藤蔓
(
ふぢづる
)
が人間の
拇指
(
おやゆび
)
よりももつと太い蔓になつて、生垣を突分け、その大樹の松の幹を、
恰
(
あたか
)
も
虜
(
とりこ
)
を捕へた綱のやうに、ぐるぐる巻きに巻きながら
攀
(
よ
)
ぢ登つて
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
こゝに
年歴
(
としへ
)
たる
藤蔓
(
ふぢづる
)
の大木にまとひたるが谷川へ
垂下
(
たれさが
)
りたるあり、
泊
(
とま
)
り
山
(
やま
)
して水
汲
(
くむ
)
もの
樽
(
たる
)
を
脊
(
せ
)
にくゝし
負
(
お
)
ひ、此ふぢづるをたよりとして谷川へくだり、水をくみてたるの口をつめて
脊
(
せ
)
おひ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
藤
常用漢字
中学
部首:⾋
18画
蔓
漢検準1級
部首:⾋
14画
“藤蔓”で始まる語句
藤蔓橋
藤蔓甲