茂助もすけ)” の例文
某日あるひお岩が庖厨かっての庭にいると、煙草屋たばこや茂助もすけと云う刻み煙草を売る男が入って来た。この茂助はお岩の家へも商いに来ていたのでお岩とも親しかった。
四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
秀吉の寝室の次から、宿直とのいの部屋や小姓部屋へ、いちいち声をかけながら、大廊下を表まで触れて行ったのは、ゆうべ寝ずの番にあたっていた堀尾茂助もすけだった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
假初かりそめ愚痴ぐち新年着はるぎ御座ござりませぬよし大方おほかたまをせしを、やがあわれみてのたまはもの茂助もすけ天地てんちはいして、ひとたか定紋でうもんいたづらにをつけぬ、何事なにごとくて奧樣おくさま
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今では番頭の茂助もすけ、支配人の民五郎たみごろうに次いで、店にはなくてならぬ人になってきたのです。
一トことこゝろまることのあれば跡先あとさき其者そのもの可愛かわゆう、車夫しやふ茂助もすけ一人子ひとりこ與太郎よたらうに、此新年このはる旦那だんなさまめしおろしの斜子なゝこ羽織はをりつかはされしもふかくの理由わけことなり
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
小姓頭こしょうがしら、堀尾茂助もすけにございまする」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
れで丁度てうど加减かげんつかれて仕舞しまう、そんなにおまへ正直しようぢきつとまものかと嘲笑あざわらふやうにへば、おほきにさといふ、相手あいて茂助もすけがもとのやすらうがこゑなり、正直しようぢきといえば此處こゝ旦的だんつきが一けんもの
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「なんじゃ、茂助もすけ
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)