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肱掛椅子
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ひじかけいす
ふりがな文庫
“
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)” の例文
ジャンナン氏は
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にすわり、事務机の上にぐったりとなって、血にまみれていた。その血はまだ
床
(
ゆか
)
にぽたぽたたれていた。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
出入り口の近くに、インキ
壺
(
つぼ
)
の置いてある大きな卓があって、上には雑多な紙や分厚な書物がのっていた。卓の前に藁の
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
があった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
以前彼女はお父さんが大好きだったが、そのお父さんも今では病気になって、暗い部屋の
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
に坐り込んだなり、苦しそうに息をしている。
可愛い女
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私はあらたに
薪
(
まき
)
をくべました。そして、わきを見ると、正夫は
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
の上に、うとうとと眠っていました。
山の別荘の少年
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
ちょうど戸口のところには、テーブルと同じように曲った
狗児
(
こいぬ
)
の足のような脚の、
倚
(
よ
)
り掛かりの高い、
鞣皮
(
なめしがわ
)
で張った
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
に、この家の主人が腰をかけている。
鐘塔の悪魔
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
▼ もっと見る
大屋敷にはきっと、むくむくした
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
や、
寝椅子
(
ソファー
)
があるに違いないわ。あの紅い壁紙の色だって、大屋敷の人達のように温かで、親切そうで、幸福そうに見えるわ。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
訪客と主人を加えて、丁度四脚の
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
が、部屋の中央に
円
(
まる
)
く並べられた。それは客のだれの眼にも、猫がよく見える位置を選んで、彼女がわざとそうしたのであった。
ウォーソン夫人の黒猫
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
のまま会場に運ばれたハイドンは、演奏の進行と共に、次第に
昂奮
(
こうふん
)
が加わり、「そこに光ぞ現れける」の一節に至ると、感激のあまり立ち上って天の一角を指し
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
和服姿で
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にかけたところは、博士はいかにもどっちりした
素朴
(
そぼく
)
な中年の紳士であった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
隣の寝室へかつぎ込んだが、寝台の上へ横になることができなくて
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にもたれたままだったそうです。
椅子
(
いす
)
の横の台の上には薬びんと
急須
(
きゅうす
)
と茶わんとが当時のままに置いてあります。
先生への通信
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
売っても
可
(
い
)
いそうな
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
に
反身
(
そりみ
)
の
頬杖
(
ほおづえ
)
。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼女のかけている
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
も気にくわなくなり、すんでのことで彼女をもらうところだった過去の記憶にも何やら気にくわぬものが出来てきた。
イオーヌィチ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あけた窓、しめた窓、暖炉のすみ、
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
、
普通
(
なみ
)
の椅子、
床几
(
しょうぎ
)
、腰掛け、
羽蒲団
(
はねぶとん
)
、綿蒲団、
藁蒲団
(
わらぶとん
)
、何にでもきまった金をかけておくことだ。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
閑
(
ひま
)
な連中で、意志もなく、目的もなく、存在の理由をも有せず、勉強の机を恐れ、自分一人になるのを恐れ、
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にいつまでもすわり込み
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
戸の前に、農夫用の
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
である車輪付きの古い椅子に腰掛けて、白髪の一人の男が太陽を見てほほえんでいた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
アントアネットは家にただ一つの
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にすわり、オリヴィエはその足先の腰掛にすわって、いつものように大きな
駄々
(
だだ
)
っ
児
(
こ
)
として
愛撫
(
あいぶ
)
されていた。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
『まあ、一ときそうして泣くがいい。おれはその間にひと坐りしよう』と彼は考え、
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
に腰をおろした。
犬を連れた奥さん
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そして
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にしどけなく身をよせかけて、まわりを取り巻いてる将校らに声高く話していた。会合はにぎやかだった。皆はすこぶる愉快そうだった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
天井や
鏡板
(
かがみいた
)
についてる画題は、小さくして
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にも施されていた。またその寝台は、コロマンデル製のラック塗りの大きな九枚折り
屏風
(
びょうぶ
)
で囲まれていた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
クンツは
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にぐったりとすわった。ちょっと一眠りしたいほどだった。シュルツは午前中の興奮とまた祝杯の酔いのために、足がよろよろしていた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
室にはいって来るや、何らの
怨恨
(
えんこん
)
も憤りも軽侮も含まない目付きで、マドレーヌ氏の前に身をかがめ、それから市長の
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
の後ろ数歩の所に立ち止まったのだった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
メルキオルは
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
に
反
(
そ
)
り返っていたので、身をかわす
隙
(
すき
)
がなかった。子供はその
喉元
(
のどもと
)
をつかんで叫んだ。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ハルトウェルの
樅
(
もみ
)
のテーブルは、ルイ十四世式の
百合
(
ゆり
)
花模様の
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
の前に据えられた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼女は、火の消えた暖炉のそばの
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にすわって、ひっそりした中で静かに話しつづけるほうを望んだ。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
亭主が出て行くと、
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にすわってしばらく考え込んだ。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
クリストフは書物を開いて、明るみのほうへ背を向けて
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にすわり込んだが、別に読むでもなかった。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
彼女は
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
の腕木に片肱をつき、身体を少しかがめ、手先で頭をささえて、
怜悧
(
れいり
)
なしかも心を
他処
(
よそ
)
にした微笑を浮かべながら、人々の話に耳を貸していた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
美しい
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にすわったり、美しい衣服にさわったりすると、口には出さないが非常な喜びを感じた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
それからまた
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
に事もなげにすわった。通りかかりの召使を小声に呼んで、一枚の名刺を渡した。そして、何事も起こらなかったかのように話をつづけた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
クリストフはジョルジュが来る前からすわっていた
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
のところへ行ってまたすわった。窓ぎわで椅子の背に頭をもたせて、正面の屋根並みや夕映えの空をながめた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
二人の後ろで、暖炉のそばの低い
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にすわって、ブラウンは雑誌を読んでいた。三人とも黙っていた。庭の砂の上に、間を置いてばらばらと降る雨の音が聞こえていた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ルイ十五世式の非常にりっぱな机は、「新式」の
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
数個と多彩の
羽蒲団
(
はねぶとん
)
が山のように積んである東方式の安楽椅子とに、取り囲まれていた。扉には鏡が飾りつけてあった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
で彼は多少の金を、半ばは借り半ばは個人教授で手に入れて、それで屋根裏の室を一つ借り、姉の寝台やテーブルや
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
など、取り留め得られるだけの器具をすべてつめ込んだ。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
小娘らしいふりを
装
(
よそお
)
って、船底
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
でいつまでも身体を揺り、「どう、そんなのないの?」などと小さな叫び声をたて、食卓で自分の好きな料理が出ると、両手をたたき、客間では
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
彼はまた呼鈴を鳴らして、クリストフとの間に約束してる特別の仕方で
扉
(
とびら
)
をたたいた。
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
の動く音がして、ゆるやかな重々しい足音の近づくのが聞こえた。クリストフは扉を開いた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
に
仰向
(
あおむけ
)
によりかかり、いつまでもできあがらない仕事を膝の上にのせ、自分自身の考えに
微笑
(
ほほえ
)
んでいた——なぜなら、どんな書物であろうと、その奥底に彼女が見出すところのものは
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
隠れ場所にいるような気持が感ぜられた。クリストフは窓のそばに大きな
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
にすわって、膝の上に書物をひらいていた。
插絵
(
さしえ
)
の上に身をかがめて、うっとりと見とれていた。日は傾いていった。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
の前で踊っていた時の歌だ。……みてごらん。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
肱掛椅子
(
ひじかけいす
)
の前で踊っていたものだ。……ご覧。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
肱
漢検準1級
部首:⾁
8画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
椅
常用漢字
中学
部首:⽊
12画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“肱掛”で始まる語句
肱掛
肱掛窓