聲高こわだか)” の例文
新字:声高
渡さんと思ひしがまてしばし主人が八山へ參り町奉行の威光ゐくわうを落すなと仰られしはこゝなりと平石は態と聲高こわだかに拙者は何方いづかたに參るも帶劔を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「おちやおあがんなせえね」おつぎは勘次かんじしりいてすこ聲高こわだかにいつた。おつたはぎりつとしぼつた手拭てぬぐひひらいてばた/\とたゝいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
くだるわ、/\、/\。ながれは何處どこまでつてもきないのかしら?『いままでにわたしいくマイルちたかしら?』とあいちやんは聲高こわだかひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「それはどんなものです、奧さま?」とロチスター氏が、聲高こわだかに云つた。
我が言ふ行きずり人の聲高こわだかをひそみゐにけり暑き日なかを
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
かれやゝいかりびて聲高こわだかになりぬ。旅僧たびそうすこしもさわがず
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『おで、そんなら!』と女王樣ぢよわうさま聲高こわだかまをされました。あいちやんは其行列そのぎやうれつくははつたものゝ、これからうすることかと大層たいさう怪訝けゞんがつてました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
聲高こわだかな口論も、喧嘩も、反抗または挑戰もなく、涙も、啜泣すゝりなきの聲もなく、數語が口にされ、結婚に對するおだやかに口にされた抗議があり、嚴しい、短い質問がロチスター氏によつて發せられ、返答
『あァ、此處こゝたまちやんがればいにねえ!』と別段べつだんだれふともなくあいちやんが聲高こわだかひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)