美麗うつくし)” の例文
手に取り見れば、年の頃二十歳はたちばかりなる美麗うつくし婦人おんなの半身像にて、その愛々しき口許くちもとは、写真ながら言葉を出ださんばかりなり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うかゞへば女の化粧けしやうする動靜やうすなり何心なくのぞこめば年の頃は十八九の娘の容色きりやうすぐれ美麗うつくしきが服紗ふくさより一ツの金包かねつゝみを取出し中より四五りやうわけて紙に包み跡を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
実は先々月の中旬なかごろでござりました、夜更よふけにお茶の水橋を通りまして、品格ひんい、美麗うつくしい、お年紀としの若い御婦人が身を投げようと遊ばす処をあやうくお止め申したのが、もし、御隠居様
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
このはなは婬婦いんぷなりしが娘おくま容顏きりやう衆人しうじんすぐれて美麗うつくしく見るものこゝろうごかさぬものなく二八の春秋はるあきすぎて年頃に及びければ引手ひくて數多あまたの身なれども我下紐わがしたひもゆるさじと清少納言せいせうなごんをしへも今は伊達だてなる母を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
したうやまひける然るに夫婦の中に二人の子供こどもありて長男ちやうなんは平吉とて二十一歳いもとをおなみと呼て十八歳なるが此お浪は容貌かほかたちしうすぐれて美麗うつくしき上氣象こゝろだて優美やさしければ兩親ふたおや愛情いつくしみも一方ならず所々しよ/″\方々はう/″\より縁談えんだん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)