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繚乱
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りょうらん
ふりがな文庫
“
繚乱
(
りょうらん
)” の例文
どうです、坂東には、野の花々は、
繚乱
(
りょうらん
)
でしょうが、こんな都の花を、お内にあって眺めるのも、まんざら悪くはありますまいが
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朝の黄金の光が
颯
(
さ
)
っと射し込み、庭園の桃花は、
繚乱
(
りょうらん
)
たり、
鶯
(
うぐいす
)
の
百囀
(
ひゃくてん
)
が
耳朶
(
じだ
)
をくすぐり、かなたには漢水の
小波
(
さざなみ
)
が朝日を受けて躍っている。
竹青
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
賑
(
にぎ
)
やかに入って来た客は
印度
(
インド
)
婦人服独特の優雅で
繚乱
(
りょうらん
)
な衣裳を頭から
被
(
かぶ
)
り、
裳裾
(
もすそ
)
を長く
揺曳
(
ようえい
)
した一団の印度婦人だった。
ガルスワーシーの家
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
たがいの気合が
沸
(
わ
)
き返る、人は
繚乱
(
りょうらん
)
として飛ぶ、火花は散る、刃は
閃
(
ひらめ
)
く、飛び違い
走
(
は
)
せ違って、また
一際
(
ひときわ
)
納まった時、
寄手
(
よせて
)
の人の影はもう三つばかりに減っています。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
繚乱
(
りょうらん
)
」と云う言葉や、「
千紫万紅
(
せんしばんこう
)
」と云う言葉は、春の野の花を形容したものであろうが、ここのは秋のトーンであるところの「黄」を基調にした
相違
(
そうい
)
があるだけで
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
殊
(
こと
)
にハナウマイの
涯
(
はて
)
しない白砂のなだらかさ、緑葉
伸
(
の
)
び張ったパルムの
梢
(
こずえ
)
の
鮮
(
あざ
)
やかさ、赤や青の海草が
繚乱
(
りょうらん
)
と潮に
揺
(
ゆ
)
れてみえる
岩礁
(
がんしょう
)
の、幾十
尋
(
ひろ
)
と
透
(
す
)
いてみえる海の
碧
(
あお
)
さは
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
それに似たものが
繚乱
(
りょうらん
)
として心を取り囲んだ。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
たれかを、呼び求めつつ、丘の
繚乱
(
りょうらん
)
な秋草の中を、こっちへ近づいて来るものらしい。すると、二人の位置から遠からぬ草むらのうちでも
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時代は七国割拠の乱世である。剣戟は
巷
(
ちまた
)
に舞っているこの伴奏を受けての思想の力争——七花八裂とも紛飛
繚乱
(
りょうらん
)
とも形容しようもない入りみだれた有様だった。
荘子
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
秋草が
繚乱
(
りょうらん
)
として、川に流れやらぬ髑髏を、あなめあなめと泣かせたり、尾花が手を延べて、千古浮べないというものをなぶったりしている、昼のしんかんたる景色。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
小手
(
こて
)
をかざしてみれば、いちめんの
高原植物
(
こうげんしょくぶつ
)
、月光と
露
(
つゆ
)
に
繚乱
(
りょうらん
)
たるなかに、ぽちりと、ひとりの少女のすがたが、ありありと立って見えた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
多数の
牡獅子
(
おじし
)
と、
牝獅子
(
めじし
)
と、
小獅子
(
こじし
)
とが、おのおの
羯鼓
(
かっこ
)
を打ちながら、
繚乱
(
りょうらん
)
として狂い踊ると、笛と、ささらと、歌とが、それを盛んに歌いつ、はやしつつ、力一ぱいに踊るが
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
すると、もう秋草の
繚乱
(
りょうらん
)
な[#「繚乱な」は底本では「※」]高原の彼方で、旗差物を打ち振るものがあった。——二百人ほどな軍馬があった。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
梨子地
(
なしじ
)
をまいたような火の子が、
繚乱
(
りょうらん
)
として飛びはじめました。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
智深が
法衣
(
ころも
)
の
諸肌
(
もろはだ
)
を脱いだからだ。そしてその
酒身
(
しゅしん
)
いっぱいに
繚乱
(
りょうらん
)
と見られた百花の
刺青
(
いれずみ
)
へ、思わず
惚々
(
ほれぼれ
)
した眼を吸いつけられたことであろう。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
曠野の秋草は
繚乱
(
りょうらん
)
と、みな血ぶるいした。所々に、死骸の丘ができた。逃げ争って行った兵は、要害にいたたまらず、山向うの安象の町へ逃げこんだ。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夏侯覇は、命を奉じて、わずか二十騎ほどを連れ、
繚乱
(
りょうらん
)
の秋
暗
(
くら
)
く
更
(
た
)
けた曠野の
白露
(
はくろ
)
を蹴って探りに行った。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
繚乱
(
りょうらん
)
の百花は、暴風の如く、馳け入る兵に踏み荒され、七花八裂、
狼藉
(
ろうぜき
)
を極めた。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
月はまだ昇らないが満天の星は宵ながら
繚乱
(
りょうらん
)
と
燦
(
きら
)
めいていた。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“繚乱”の意味
《名詞》
繚乱(りょうらん)
花などが入り乱れること。
(出典:Wiktionary)
繚
漢検1級
部首:⽷
18画
乱
常用漢字
小6
部首:⼄
7画
“繚乱”で始まる語句
繚乱七種