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籬
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かき
ふりがな文庫
“
籬
(
かき
)” の例文
次の日は早朝から家を出て、また引っ返して
籬
(
かき
)
の外から窺っていると、一人の少女が甕の中から出て、
竈
(
かまど
)
の下に火を焚きはじめた。
中国怪奇小説集:04 捜神後記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
秋はここにも
紅
(
くれない
)
に照れる桜の葉はらりと落ちて、仕切りの
籬
(
かき
)
に
咲
(
え
)
む
茶山花
(
さざんか
)
の
香
(
かおり
)
ほのかに、線香の煙立ち上るあたりには小鳥の声幽に聞こえぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
夜中ものすごき道を帰りければ、傍らの
籬
(
かき
)
の上より、首の長き頭の巨なる妖怪、人に向かって動揺する状なり。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
籬
(
かき
)
の外の畑では、まだ
晩蒔
(
おそまき
)
の麦を蒔いて居る。向うの田圃では、ザクリ/\鎌の音をさして
晩稲
(
おくて
)
を
苅
(
か
)
って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
きょうも朝から、
簀
(
す
)
のような銀糸がいちめんに煙って、
籬
(
かき
)
の
茨
(
いばら
)
の花も、ふっくらと匂いかけている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
霊
(
みたま
)
の
因縁
(
いんえん
)
と
申
(
もう
)
すものはまことに
不思議
(
ふしぎ
)
な
力
(
ちから
)
を
有
(
も
)
っているものらしく、これが
初対面
(
しょたいめん
)
であり
乍
(
なが
)
ら、
相互
(
おたがい
)
の
間
(
あいだ
)
の
隔
(
へだ
)
ての
籬
(
かき
)
はきれいに
除
(
と
)
り
去
(
さ
)
られ、さながら
血
(
ち
)
を
分
(
わ
)
けた
姉妹
(
きょうだい
)
のように
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
籬
(
かき
)
の下に紅い
巾
(
てふき
)
の落ちているのが見えた。陳は女の
何人
(
だれ
)
かが落して往ったのだろうと思って、喜んで袖の中に入れて、亭の中へあがって往った。そこには
案
(
つくえ
)
の上に硯や筆が備えてあった。
西湖主
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
もの芽出る
籬
(
かき
)
の外には電車行く
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
おぼつかなくも
籬
(
かき
)
に沿い、
樹間
(
このま
)
をくぐりて
辿
(
たど
)
りゆけばここにも墓標新らしき塚の前に、
一群
(
ひとむれ
)
の
男女
(
なんにょ
)
が花をささげて
回向
(
えこう
)
するを見つ、これも親を失える人か、あるいは妻を失えるか、子を失えるか
父の墓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それはいいですが、心配なのは武男君の健康です。もしもの事があったらそれこそ川島家は破滅です、——そういううちにもいつ伝染しないとも限りませんよ。それだって、夫婦というと、まさか叔母
様
(
さん
)
が
籬
(
かき
)
を
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
昼顔の花もとび散る
籬
(
かき
)
を刈る
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
老婦人が去った後、
瓠
(
ひさご
)
の
籬
(
かき
)
でかこって
盤
(
ふた
)
をかぶせて置くと、虫は俄かに変じて犬となった。犬の毛皮には
五色
(
ごしき
)
の
文
(
あや
)
があるので、これを宮中に養うこととし、瓠と盤とにちなんで
盤瓠
(
ばんこ
)
と名づけていた。
中国怪奇小説集:03 捜神記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
籬
(
かき
)
の豆赤さ走りぬいざ摘まん
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
古竹に添へて青竹
籬
(
かき
)
繕ふ
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
籬
漢検1級
部首:⽵
25画
“籬”を含む語句
籬外草満地
大籬
籬落
竹籬
瑞籬
雛飛欲越籬
籬高堕三四
呼雛籬外雞
杉籬
籬根
生籬
東籬
神籬
透籬
眞籬根
籬外
籬高随三四
総籬
籬際
采菊東籬下
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