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破目
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やれめ
ふりがな文庫
“
破目
(
やれめ
)” の例文
壁の裏が
行方
(
ゆくえ
)
であらう。その
破目
(
やれめ
)
に、十七日の月は西に傾いたが、
夜
(
よる
)
深く照りまさつて、
拭
(
ぬぐ
)
ふべき霧もかけず、雨も風もあともない。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
傍
(
そば
)
へ寄るまでもなく、
大
(
おおき
)
な其の障子の
破目
(
やれめ
)
から、立ちながら
裡
(
うち
)
の
光景
(
ようす
)
は、
衣桁
(
いこう
)
に掛けた
羽衣
(
はごろも
)
の手に取るばかりによく見える。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
袈裟
(
けさ
)
をはずして
釘
(
くぎ
)
にかけた、
障子
(
しょうじ
)
に
緋桃
(
ひもも
)
の
影法師
(
かげぼうし
)
。
今物語
(
いまものがたり
)
の
朱
(
しゅ
)
にも似て、
破目
(
やれめ
)
を
暖
(
あたたか
)
く燃ゆる
状
(
さま
)
、
法衣
(
ころも
)
をなぶる
風情
(
ふぜい
)
である。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ふと、生垣を
覗
(
のぞ
)
いた
明
(
あかる
)
い綺麗な色がある。外の
春日
(
はるび
)
が、
麗
(
うらら
)
かに垣の
破目
(
やれめ
)
へ映って、娘が覗くように、千代紙で招くのは、菜の花に
交
(
まじ
)
る
紫雲英
(
げんげ
)
である。……
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
即ち襖の
破目
(
やれめ
)
を
透
(
とお
)
して、一つ突当って、
折屈
(
おりまが
)
った上に、たとえば月の影に、
一刷
(
ひとはけ
)
彩
(
いろど
)
った如く見えたのである。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
即
(
すなは
)
ち
襖
(
ふすま
)
の
破目
(
やれめ
)
を
透
(
とほ
)
して、
一
(
ひと
)
つ
突當
(
つきあた
)
つて、
折屈
(
をりまが
)
つた
上
(
うへ
)
に、たとへば
月
(
つき
)
の
影
(
かげ
)
に、
一刷
(
ひとはけ
)
彩
(
いろど
)
つた
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
えたのである。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
泰助は昼来て要害を見知りたれば、その足にて直ぐと赤城家の裏手に
行
(
ゆ
)
き、垣の
破目
(
やれめ
)
を
潜
(
くぐ
)
りて庭に入りぬ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
破目
(
やれめ
)
や節穴の多い板戸の前を抜けて、総井戸の
釣瓶
(
つるべ
)
がしとしとと落つる短夜の
雫
(
しずく
)
もまだ
切果
(
きれは
)
てず、小家がちなる軒に蚊の声のあわただしい湯の谷を出て、総曲輪まで
一条
(
ひとすじ
)
の
径
(
こみち
)
にかかり
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此の声
柱
(
はしら
)
を動かして、
黒燻
(
くろくすぶり
)
の壁、其の
蓑
(
みの
)
の下、
袷
(
あわせ
)
をかけてあつた
処
(
ところ
)
、
件
(
くだん
)
の
巌形
(
いわおがた
)
の
破目
(
やれめ
)
より、
岸破
(
がば
)
と
摚倒
(
どうだお
)
しに
裡
(
うち
)
へ倒れて、炉の上へ
屏風
(
びょうぶ
)
ぐるみ崩れ込むと、黄に赤に煙が
交
(
まじ
)
つて
※
(
ぱっ
)
と
砂煙
(
すなけむり
)
が
上
(
あが
)
つた。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
破
常用漢字
小5
部首:⽯
10画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“破目”で始まる語句
破目板
破目山