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白髯
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しらひげ
ふりがな文庫
“
白髯
(
しらひげ
)” の例文
白髯
(
しらひげ
)
の
渡
(
わた
)
し。……隅田川に残っているたった一つの渡しである……といっても、それとて、むかしのまんま残ってはいないのである。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
私は初めて気がつきました。染めていた下から白いのが生えて来たのです。頬は剃っていたから自然のままに
白髯
(
しらひげ
)
が伸びたのです。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
白髯
(
しらひげ
)
神社は武蔵野に多く散在しているが、一番有名なのは向島の白髯サマであろう。しかし白髯明神の総本家はコマ神社と云われている。
安吾の新日本地理:10 高麗神社の祭の笛――武蔵野の巻――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「それは御苦労。わたしは墓参で
白髯
(
しらひげ
)
の辺まで行く。屋敷を遅く出たので、帰りは日が暮れるかも知れない。寺の遠いのは少し難儀だな……」
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
白髯
(
しらひげ
)
の
土手
(
どて
)
へ
上
(
あが
)
るが
疾
(
はや
)
いか、さあ
助
(
たす
)
からぬぞ。
二人乘
(
ににんのり
)
、
小官員
(
こくわんゐん
)
と
見
(
み
)
えた
御夫婦
(
ごふうふ
)
が
合乘
(
あひのり
)
也
(
なり
)
。ソレを
猜
(
そね
)
みは
仕
(
つかまつ
)
らじ。
妬
(
や
)
きはいたさじ、
何
(
なん
)
とも
申
(
まを
)
さじ。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「ハイ、胸に
白髯
(
しらひげ
)
を垂れ、身に
葛
(
くず
)
の衣裳を着け、
自然木
(
じねんぼく
)
の杖を突きましたところの、異相の老人にございます」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その下から現われたのは、読者も大方推察されていた通り、名探偵三笠龍介氏の白髪頭と
白髯
(
しらひげ
)
とであった。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「千蛾も共に、御成功をお祈り申しあげまする」と、
冠
(
かんむり
)
の
紐
(
ひも
)
のように、老人の
白髯
(
しらひげ
)
の先は膝につきました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
碩学
(
せきがく
)
大家どもと、彼らの
白髪
(
しらが
)
と
白髯
(
しらひげ
)
は、豪雨と、暴風の、鳥獣の
苦悶
(
くもん
)
と、人民の失望と、日光の動揺と植物の
戦慄
(
せんりつ
)
と、鉱石の平伏といっしょに、宇宙へ四散した。
ヤトラカン・サミ博士の椅子
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
やがて、靄の底から、ぼんやり現われたのは、立派な
白髯
(
しらひげ
)
を
生
(
はや
)
した、紅毛のお
爺
(
じい
)
さんでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
前へ行くその人は、六十近い、
白髯
(
しらひげ
)
の人で、
後方
(
うしろ
)
のは供人であろうか? 肩から紐で、木箱を腰に垂れていた。二人とも、白い下着の上に黄麻を重ね、裾を
端折
(
はしょ
)
って、紺
脚絆
(
きゃはん
)
だ。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
見れば
白髯
(
しらひげ
)
の老父は大きな鼈甲の眼鏡をかけて、次の間の書齋一面に廣げた
唐紙
(
たうし
)
の上に、太い筆で大きな象形文字を書いて居られた。村の富豪から依頼されたのだと云ふ事である。
新帰朝者日記 拾遺
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
と
如意
(
にょい
)
片手に、
白髯
(
しらひげ
)
長きこの老僧が、
改
(
あらたま
)
って物語る
談話
(
はなし
)
を聞けば
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
白の支那服の、
白髪
(
しらが
)
の、
白髯
(
しらひげ
)
の、和製タゴール老人の姿も見えた。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
さながら通り魔のやうに
白髯
(
しらひげ
)
のあたりまで漕ぎ上つたのです。
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
白髯
(
しらひげ
)
の議員は左から歎願した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
玄關からは上らずに
柴折戸
(
しをりど
)
を潜つて庭へ這入ると、鼈甲の大きな老眼鏡をかけた父は
白髯
(
しらひげ
)
を撫でながら、縁側の日當りに腰をかけて
唐本
(
たうほん
)
を讀んで居られたが、自分の姿を見ると、何より先に
新帰朝者日記 拾遺
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
ま
白髯
(
しらひげ
)
長かる父の目は
盲
(
し
)
ひて
端然
(
たんねん
)
と
坐
(
ま
)
すに月押し照りき
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
私は
向島
(
むかうじま
)
の
三囲
(
みめぐり
)
や
白髯
(
しらひげ
)
に新しく橋梁の出来る事を決して悲しむ者ではない。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
私は向島の
三囲
(
みめぐり
)
や
白髯
(
しらひげ
)
に新しく橋梁の出来る事を決して悲しむ者ではない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
髯
漢検1級
部首:⾽
15画
“白髯”で始まる語句
白髯橋
白髯痩躯