れふ)” の例文
「江柄三七郎はが自慢なんださうで、船だけ借りて獨りで出かけ、朝歸つたとき見ると、まるつ切りれふがなかつたさうです」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
我国にては毎年七月二十七日、所々にある諏訪すはまつりの次の日よりさけれふをはじめ、十二月寒のあけるをれふをはりとす。
或日あるひ近所きんじよかはれふに出かけて彼處かしこふち此所こゝあみつてはるうち、ふと網にかゝつたものがある、いて見たが容易よういあがらないので川にはひつてさぐこゝろみると一抱ひとかゝへもありさうないしである。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
くまびきさへれないもの、ながあひだれふしたのは、二尋ふたひろばかりのふかが一ぴき
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我が若年ぢやくねんのころは鮏あまたとれたるゆゑそのあたひもいやしかりしが、近年はとりうる事すくなきゆゑ価もおのづからむかしにばいせり。年々たくみあらたにしてれふするゆゑ捕へらしたるならん。
前にもいへる如くさけれふは寒中を限りとす、寒あけてればたゝりをなすといひつたふ。