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渇
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かっ
ふりがな文庫
“
渇
(
かっ
)” の例文
爾後
(
じご
)
、
餓
(
う
)
うるときは鉄丸を
喰
(
くら
)
い、
渇
(
かっ
)
するときは銅汁を飲んで、
岩窟
(
がんくつ
)
の中に封じられたまま、
贖罪
(
しょくざい
)
の期の
充
(
み
)
ちるのを待たねばならなかった。
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「ない。……なかった。……それを聞かせてくれる人にわしは
渇
(
かっ
)
している。まだ見ぬ孔明に自分が求めてやまないのも、その声だ。その真理だ」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
清三は日課点の調べにあきて、風呂敷包みの中から「むさし野」を出して清新な趣味に
渇
(
かっ
)
した人のように熱心に読んだ。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
塵埃
(
じんあい
)
に
塗
(
まみ
)
れた、草や、木が、風雨を恋うるように、生活に疲れた人々は、清新な生命の泉に
渇
(
かっ
)
するのであります。
『小さな草と太陽』序
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
坐って
箸
(
はし
)
をとったものの、成信はちょっとそこで
躊躇
(
ちゅうちょ
)
した。つまらないようなはなしだが、
渇
(
かっ
)
しても
盗泉
(
とうせん
)
の水をのまずということが頭にうかんだのである。
泥棒と若殿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
わたくしは炎暑の時節いかに
渇
(
かっ
)
する時と
雖
(
いえども
)
、氷を入れた淡水の外冷いものは一切口にしない。冷水も成るべく之を避け夏も冬と変りなく熱い茶か
珈琲
(
コーヒー
)
を飲む。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
相敵対してる国民間の狭い境域に息づまって自由に
渇
(
かっ
)
している、当時の多くの人々と同様に、彼もまたヨーロッパを超越して息をつき得る一角の地を求めていた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
盗賊の物を飲んだり食ったりするのは厭だ、
渇
(
かっ
)
しても
盗泉
(
とうせん
)
の水を飲まず、其のくらいの事は山三郎存じて居ります、
其方
(
そちら
)
で勝手にお飲みなさい、
私
(
わし
)
は釣に
行
(
ゆ
)
きますとき
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
竹杖
軽
(
かろ
)
げに
右手
(
めて
)
に取り直し、血に
渇
(
かっ
)
したる喜三郎の兇刃に接して
一糸一髪
(
いっしいっぱつ
)
を
緩
(
ゆる
)
めず放たず、
冷々
(
れいれい
)
水の如く機先を制し去り、
切々
(
せつせつ
)
氷霜
(
ひょうそう
)
の如く
機後
(
きご
)
を圧し来るに、音に聞えし喜三郎の
業物
(
わざもの
)
も
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
復一は永い間
渇
(
かっ
)
していた好みのものは、見ただけで満足されるという
康
(
やす
)
らいだ
溜息
(
ためいき
)
がひとりでに吐かれるのを自分で感じ、無条件に笑顔を取り交わしたい、孤独の寂しさがつき上げて来たが
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
一刻も早く血が吸いたいというように
渇
(
かっ
)
している。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
長光寺城中の実状、いよいよ水に窮し、兵馬みな
渇
(
かっ
)
して、乾き死なんとするや、蓄蔵の
大瓶
(
おおがめ
)
三個の水を、
枯喪
(
こそう
)
して生色なき城兵のまん中に担ぎ出させ
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
渇
(
かっ
)
しても
盗泉
(
とうせん
)
の水を飲まず位の事は心得ているではないか、何ういう訳で人の物を
奪
(
と
)
る気になった、手前とは知らずナ、此の角右衞門が
旅人
(
たびゞと
)
を助けようとして打留めたのであるぞ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
清らかな、日に輝いて、
妙
(
たえ
)
なる歌をうたって流れている水に
渇
(
かっ
)
している。唇の紫の女も水に渇している。女は、もはや、森を奥深く分けて進むに堪えなかった。激しい
日光
(
ひかり
)
は緑の葉に燃えている。
森の暗き夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
われ出でず戦わず、ひたすら陣を守って日を移しておるならば、彼は、曠野の烈日に、日々気力をついやし、水に
渇
(
かっ
)
し、ついには陣を引いて山林の陰へ移るであろう。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元より衣食の
途
(
みち
)
はつかず、というて、身寄り頼りに
縋
(
すが
)
って、さもしい頭も下げきれず、また、
渇
(
かっ
)
しても
盗泉
(
とうせん
)
の水はくらわず——と頑固に持して、一同、この街道の
橋袂
(
はしたもと
)
に、貧しい
納屋
(
なや
)
一軒借りうけ
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
渇
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“渇”を含む語句
渇仰
饑渇
渇望
随喜渇仰
渇仰者
飢渇
枯渇
渇水
渇驥
涸渇
久渇
渇情
渇者
渇虎
渇命
満都渇仰
而生渇仰心
渇仰随喜
大飢渇
信心渇仰