泣粧きふしやう)” の例文
しかるに南方なんぱう文帝ぶんてい元嘉げんか年中ねんちう京洛きやうらく婦女子ふぢよしみなこと/″\愁眉しうび泣粧きふしやう墮馬髻だばきつ折要歩せつえうほ齲齒笑うしせうをなし、貴賤きせん尊卑そんぴたがひおよばざるをはぢとせり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とき恥辱はぢ恐怖おそれとによわきもののこゑをも得立えたてず、いたみ、かなしみ、けるかたちよそほはざるに愁眉しうび泣粧きふしやう柳腰りうえうむちくじけては折要歩せつえうほくるしみ、金釵きんさいしては墮馬髻だばきつ顯實けんじつす。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
愁眉しうびすなはまゆつくること町内ちやうない若旦那わかだんなごとく、ほそあたりつけて、まがすくむをふ。泣粧きふしやうしたにのみうす白粉おしろい一刷ひとはけして、ぐいとぬぐく。さまなみだにうるむがごとし。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)