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きふしやう
其の
時恥辱と
恐怖とに
弱きものの
聲をも
得立てず、
傷み、
悲み、
泣ける
容、
粧はざるに
愁眉、
泣粧。
柳腰鞭に
折けては
折要歩を
苦しみ、
金釵地に
委しては
墮馬髻を
顯實す。
愁眉は
即ち
眉を
作ること
町内の
若旦那の
如く、
細く
剃りつけて、
曲り
且つ
竦むを
云ふ。
泣粧は
目の
下にのみ
薄く
白粉を
塗り
一刷して、ぐいと
拭ひ
置く。
其の
状涙にうるむが
如し。