かへり)” の例文
新字:
聞き三吉然らば御かへり相待あひまつべしと言て上りこみ一向うごかぬ故小兵衞も是非なく密と勝手かつての方より出ておもてへ廻り只今歸りしていにて三吉を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
北八きたはち心得こゝろえたるかほはすれども、さすがにどぎまぎしてはむとほつするところらず、おかみさんかへりにするよ。唯々はい/\。お邪魔じやまでしたとにいさんはうまいものなり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
うちでは御米およねきよれてくとかつて、石鹸入しやぼんいれ手拭てぬぐひくるんで、留守居るすゐたのをつとかへりけてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
『そんなら私がいて行つたつていだらう。そしてかへりに引張つて行くから。』
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
主從六人にて表門へ出來り小石川御屋形の御使者おししや只今たゞいまかへり申す開門ありたしと申ければ番人また人數を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
斯て九助は五ヶ年の間辛抱しんばうをなし殊に今度このたび奉行所よりたまはりし金を合すれば百六七十兩の金子にも成しゆゑ古郷こきやうかへりかねての望みの如く先祖せんぞの跡を立んと出立の支度したくして伯父をぢ始めへの土産物みやげもの
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)