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歸
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かへり
聞き三吉然らば御
歸迄
相待申
可と言て上り
込一向
動かぬ故小兵衞も是非なく密と
勝手の方より出て
表へ廻り只今歸りし
體にて三吉を
北八心得たる
顏はすれども、さすがにどぎまぎして
言はむと
欲する
處を
知らず、おかみさん
歸にするよ。
唯々。お
邪魔でしたと
兄さんは
旨いものなり。
家では
御米が
清を
連れて
湯に
行くとか
云つて、
石鹸入を
手拭に
包んで、
留守居を
頼む
夫の
歸を
待ち
受けてゐた。
『そんなら私が
從いて行つたつて
可いだらう。そして
歸に引張つて行くから。』
主從六人にて表門へ出來り小石川御屋形の
御使者只今歸申す開門ありたしと申ければ番人また人數を
斯て九助は五ヶ年の間
辛抱をなし殊に
今度奉行所より
賜りし金を合すれば百六七十兩の金子にも成しゆゑ
古郷へ
歸豫ての望みの如く
先祖の跡を立んと出立の
支度して
伯父始めへの
土産物を