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じらう
あの『
幼きものに』と
同じやうに、
今度の
本も
太郎や
次郎などに
話し
聞かせるつもりで
書きました。それがこの『ふるさと』です。
するとその
辺に
住んでゐた
太郎ぢやない、
次郎といふ
子供が、その
鸚鵡を
盗んでポツケツトへ
入れました。
をぢ
様、
今日はお
前、
珍らしいお
客がお
二人ござんした、
恁ふ
云ふ
時はあとから
又見えやうも
知れません、
次郎さんばかりでは
来た
者が
弱んなさらう、
私が
帰るまで
其処に
休んで
居てをくれでないか。
父さんが
遠い
外國の
方から
歸つた
時、
太郎や
次郎への
土産話にと
思ひまして、いろ/\な
旅のお
話をまとめたのが、
父さんの『
幼きものに』でした。
あの
本を
作つた
時から、もう三
年の
月日がたちます。
太郎は十六
歳、
次郎は十四
歳にもなります。
父さんの
家には、
今、
太郎に、
次郎に、
末子の三
人が
居ます。