次兄にその名称を訊くと、梔子だといつた。さういへば子供の頃から見なれた花だが、ひつそりとした姿が今はたまらなく懐しかつた。……
とっくの昔に高圧八百五十ヴォルトの電流を通されて、黒焦げになった屍体は梔子の花散るウベニア丘の墓地に、妻と並んで墓標の下に眠っていることであろう。
地図はいいかげん古ぼけ、隅が枯れた梔子の花びらのような色になり捲くれている。私は、ふと指さきで地図を撫でた。はじめて疑惑に似たようなものを胸にうかべていた。
“梔子(クチナシ)”の解説
クチナシ(梔子、学名: Gardenia jasminoides)は、アカネ科クチナシ属の常緑低木である。庭先や鉢植えでよく見られる。乾燥果実は、生薬・漢方薬の原料(山梔子・梔子)となることをはじめ、着色料など様々な利用がある。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
“梔子”で始まる語句