校舎こうしゃ)” の例文
旧字:校舍
さくらみきから、校舎こうしゃまどわたしてあるつなには、無数むすうまるはたや、満洲国まんしゅうこくはたや、中華民国ちゅうかみんこくはたなどが、つるしてあった。
汽車は走る (新字新仮名) / 小川未明(著)
こういって、外套室がいとうしつへかけ出した。このとき小使こづかいがベルのボタンをしたので、あじもそっけもない広い校舎こうしゃじゅうへ、けたたましいベルのおとひびき渡った。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
光吉こうきちの学校で拝賀式はいがしきがおこなわれている時刻じこくに、母は校舎こうしゃのすぐうらにあるみどりおか朝霜あさしもをふんで、そこにたたずんでいた。まどガラスごしに、式場しきじょうのありさまを見まもっているのだ。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
ぼくは、いくたびも、幼稚園ようちえんの、ちいさな校舎こうしゃさくらをふりかえりながら、ほそみちあるいて、いつしかそこをとおざかりました。
だれにも話さなかったこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
校舎こうしゃ日蔭ひかげのところにって、あずまが、一人一人ひとりひとりからかねっていました。一人ひとりが、十せん以上いじょう寄付きふをすれば、そのかねもとめたドッジボールの遊戯ゆうぎくわわることができるのでした。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もう、校舎こうしゃぐちには、きのう、いっしょにあそんだ、子供こどもたちが二、三にんもかたまって、ぼくのほうをて、なにかはなしあって、わらっています。きっと、弱虫よわむしとでもいっていたのでしょう。
だれにも話さなかったこと (新字新仮名) / 小川未明(著)