-
トップ
>
-
明暸
>
-
めいれう
小六は
始めのうち
何にも
口を
出さなかつたが、
段々兄夫婦の
話を
聞いてゐるうちに、
略關係が
明暸になつたので
頭腦が
比較的明暸で、
理路に
感情を
注ぎ
込むのか、
又は
感情に
理窟の
枠を
張るのか、
何方か
分らないが、
兎に
角物に
筋道を
付けないと
承知しないし、また
一返筋道が
付くと
昔は
數學が
好で、
隨分込み
入つた
幾何の
問題を、
頭の
中で
明暸な
圖にして
見る
丈の
根氣があつた
事を
憶ひ
出すと、
時日の
割には
非常に
烈しく
來た
此變化が
自分にも
恐ろしく
映つた。