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掻潜
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かいくぐ
ふりがな文庫
“
掻潜
(
かいくぐ
)” の例文
旧字:
掻潛
振り返ったガラッ八の袖の下を
掻潜
(
かいくぐ
)
り様、ト、ト、トと前へ、物に驚いた美しい鳥のように駆け抜けたのは、紛れもなく若い女です。
銭形平次捕物控:040 大村兵庫の眼玉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ああ、可いとも、」といって向直って、お品は
掻潜
(
かいくぐ
)
って
襷
(
たすき
)
を
脱
(
はず
)
した。斜めに
袈裟
(
けさ
)
になって
結目
(
むすびめ
)
がすらりと
下
(
さが
)
る。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その袖の下を
掻潜
(
かいくぐ
)
るように五六間来ると、ちょうど唐紙の隙間から漏れる
灯
(
あかり
)
の中に主人の孫右衛門、血潮の中に断末魔の
蠢
(
うごめ
)
きを続けていたのでした。
銭形平次捕物控:074 二度死んだ男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見る見る
朱
(
あか
)
き
蛇
(
くちなわ
)
は、その燃ゆる色に黄金の
鱗
(
うろこ
)
の絞を立てて、菫の花を
掻潜
(
かいくぐ
)
った尾に、主税の手首を巻きながら、
頭
(
かしら
)
に婦人の
乳
(
ち
)
の下を
紅
(
くれない
)
見せて
噛
(
か
)
んでいた。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
中に
一人
(
いちにん
)
真先
(
まっさき
)
かけて、壁の穴を
塞
(
ふさ
)
いで居たのが、此の時、
掻潜
(
かいくぐ
)
るやうにして、
恐
(
おそろし
)
い顔を出した、
面
(
めん
)
の
大
(
おおき
)
さ、
梁
(
はり
)
の
半
(
なかば
)
を
蔽
(
おお
)
うて、血の
筋
(
すじ
)
走る
金
(
きん
)
の
眼
(
まなこ
)
にハタと桂木を
睨
(
ね
)
めつけた。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
婦人
(
おんな
)
は
上框
(
あがりがまち
)
に立ちたるまま、
腕
(
かいな
)
を延べたる半身、
斜
(
ななめ
)
に狭き
沓脱
(
くつぬぎ
)
の上に
蔽
(
おお
)
われかかれる。その袖の下を
掻潜
(
かいくぐ
)
りて、
衝
(
つ
)
と
摺抜
(
すりぬ
)
けつつ、池ある
方
(
かた
)
に走り
行
(
ゆ
)
くをはたはたと追いかけて、
後
(
うしろ
)
より
抱
(
いだ
)
き
留
(
とど
)
め
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
温泉
(
ゆ
)
の口なる、花室の露を
掻潜
(
かいくぐ
)
って、山の裾へ出ると
前後
(
あとさき
)
になり、
藪
(
やぶ
)
について曲る時、透かすと、花屋が裏庭に、お雪がまだ色も見え分かぬ、朝まだき、草花の中に、折取るべき
一個
(
ひとつ
)
の
籠
(
かご
)
を抱いて
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
掻
漢検準1級
部首:⼿
11画
潜
常用漢字
中学
部首:⽔
15画
“掻”で始まる語句
掻
掻巻
掻込
掻合
掻廻
掻消
掻口説
掻取
掻分
掻乱