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掛声
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かけごえ
ふりがな文庫
“
掛声
(
かけごえ
)” の例文
旧字:
掛聲
また或る日に、真赤な肉じゅばんの、青いバンドの入った優しい悪鬼のような姿で、はれイ! と
掛声
(
かけごえ
)
をした彼女を見た。
ヒッポドロム
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
帆村探偵は、大胆にも怪塔王がうしろを向いたすきをのがすことなく、うしろから、「やっ」と
掛声
(
かけごえ
)
して飛びつきました。
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
波の様に揺れる駕籠の中で、藤左衛門が
先刻
(
さっき
)
から呼んでいたが、
多勢
(
おおぜい
)
の
掛声
(
かけごえ
)
に消されて、駕籠屋の耳へ入らないのである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お早うお帰りと、かみさんが、浜に立って赤シャツに
挨拶
(
あいさつ
)
する。おれは
船端
(
ふなばた
)
から、やっと
掛声
(
かけごえ
)
をして磯へ飛び下りた。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その間にもはや別の丸太を引っ背負って、南面の大扉にえいおうの
掛声
(
かけごえ
)
も猛に打ち当っておる者もございます。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
▼ もっと見る
それでいて例の鹿々何本を、まだ
掛声
(
かけごえ
)
のように
唱
(
とな
)
えているのだから、考えてみると子どもは面白い。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
入口がめっからぬらしく、少年車掌の制服を着た若者は、エイと
掛声
(
かけごえ
)
しながら窓から入ってきた。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
次郎七と五郎八とは、黙って合図をして、鉄砲でその
狸
(
たぬき
)
を狙い、一二三という
掛声
(
かけごえ
)
と共に、二人一緒に引金を引きました。ズドーンと大きな音がして、狸はばたりと倒れました。
狸のお祭り
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
内
(
うち
)
へ
這入
(
はい
)
ると足場の悪い
梯子段
(
はしごだん
)
が立っていて、その
中
(
なか
)
ほどから曲るあたりはもう薄暗く、臭い
生暖
(
なまあたたか
)
い
人込
(
ひとごみ
)
の
温気
(
うんき
)
がなお更暗い上の方から吹き下りて来る。
頻
(
しきり
)
に役者の名を呼ぶ
掛声
(
かけごえ
)
が聞える。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
余裕
(
よゆう
)
を示して、ボオトをランデングに附け、
掛声
(
かけごえ
)
勇ましく、頭上高く差し上げたに引き替え、日本選手は決勝線に入ると同時に、精力全く尽き、クルウ全員ぐッたりとオォルの上に突っ
俯
(
ぷ
)
し
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
終始、喬之助は、
掛声
(
かけごえ
)
ひとつ発しなかった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その間にもはや別の丸太を引つ背負つて、南面の大扉にえいおうの
掛声
(
かけごえ
)
も猛に打ち当つてをる者もございます。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
「その時ひょっと気がつくとするぜ、いいかね。そうしたらその時の君が、やっという
掛声
(
かけごえ
)
と共に、早変りができるかい。早変りをしてこの僕になれるかい」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女の結婚する二三日前に、岡田と佐野は、氷を裂くような汽車の中から身を
顫
(
ふる
)
わして新橋の
停車場
(
ステーション
)
に下りた。彼は迎えに出た自分の顔を見て、いようという
掛声
(
かけごえ
)
をした。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大刀
(
たち
)
を振りかざし
掛声
(
かけごえ
)
も猛に、どこやらの
邸
(
やしき
)
から持ち出したものでございましょう、重たげな
長櫃
(
ながびつ
)
を四五人連れで
舁
(
か
)
いて渡る足軽の姿などは、一々目にとめている
暇
(
いとま
)
もなくなります。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
虚子は、ここで
掛声
(
かけごえ
)
をいくつかけて、ここで鼓をどう打つから、おやりなさいと
懇
(
ねんごろ
)
に説明してくれた。自分にはとても
呑
(
の
)
み
込
(
こ
)
めない。けれども
合点
(
がてん
)
の行くまで研究していれば、二三時間はかかる。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
昼日なかの大路を、
大刀
(
たち
)
を振りかざし
掛声
(
かけごえ
)
も猛に、どこやらの
邸
(
やしき
)
から持ち出したものでございませう、重たげな
長櫃
(
ながびつ
)
を四五人連れで
舁
(
か
)
いて渡る足軽の姿などは、一々目にとめてゐる
暇
(
いとま
)
もなくなります。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
声
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
“掛”で始まる語句
掛
掛合
掛念
掛金
掛物
掛茶屋
掛行燈
掛蒲団
掛樋
掛川