抑々そも/\)” の例文
つとめ美名を後世につたへし青砥あをと左衞門尉藤綱ふぢつな公事訴訟等くじそしようとうを聞るゝときは必ず眼を閉塞ふさぎて調べられしとこそ聞えたれ抑々そも/\越前守殿此長庵を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「君達も今は劇は芸術だからつて、高くとまつてゐるが、芝居に足をむだ抑々そも/\は、まさか芸術家になつてみたいと思つた訳でも無かつたらう。」
そこで甲田は、自分がその祕訣を知つた抑々そも/\の事から話して聞かした。校長は出席簿を碌々つけないけれども、月末には確然ちやんと歩合を取つて郡役所に報告する。
葉書 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
危急存亡のとき切迫すること間髪を容れず、抑々そも/\昨年来一時の平和の形をなすといへども、大小藩主おの/\狐疑を抱き、天下人心恟々然きよう/\ぜんとして、その乱れること百万の兵戈へいくわ動くより恐るべし……
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
女子ぢよしよそほはばむしかくごときをもつ會心くわいしんこととせん。美顏術びがんじゆついたりては抑々そも/\末也すゑなり
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「その綺麗なのが抑々そも/\間違ひのもとで」
垂しより已來このかた本尊ほんそん現化げんげの秋の月はてらさずと云所も無く眷屬けんぞく結縁けちえんの春のはなかをらずと云ふ袖も方便はうべんかどには罪有る者をばつがた抑々そも/\義長の品行おこなひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つかせ給ひながら是は内々なり必ず沙汰さたべからずとおほせられたるがかく吉宗公が溜息ためいきつかせ給ふは抑々そも/\天一坊の身の上をおぼめしての事なり世の親の子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)