手振てぶ)” の例文
たいへんほがらかな、可愛かわいい娘さん達なので、喜んで、一緒に写真をとったり名刺めいしもらったり、手振てぶり身振りで会話をしたりしました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
朝倉夫人は、手振てぶりのあい間あい間に、おりおり塾生たちを手まねきしては、踊りの輪に加わらせようとした。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
うしろの土手どて自然生しぜんばへおとゝ亥之いのをつて、びんにさしたるすゝきまね手振てぶりもあはれなるなり。
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手振てぶりまでまじえての土平どへいうたは、つきひかりえるにつれて、いよいよ益々ますます面白おもしろく、子供こどもばかりか、ぐるりと周囲しゅういかきつくった大方おおかたは、とおりがかりの、大人おとな見物けんぶつで一ぱいであった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
そうすると分布はどこまで及んでいるとするか。名がまず消え失せて感覚はなお残り、手振てぶり歌言葉の端々はしばしが、古い姿をとどめているという例が、是からも少しずつ集まってくるのではないか。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
召物めしものれますとふを、いゝさまづさせててくれとて氷嚢こほりぶくろくちひらいてみづしぼ手振てぶりの無器用ぶきようさ、ゆきすこしはおわかりか、兄樣にいさんつむりひやしてくださるのですよとて
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
中には朝倉夫人のしなやかな手振てぶりに最初から最後までうっとりと見ほれているものもあった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)