手引てび)” の例文
わしはこちらでまだ三浦みうら殿様とのさまに一もおにかかりませぬが、今日きょうひいさまのお手引てびきで、早速さっそく日頃ひごろのぞみかなえさせていただわけにはまいりますまいか。
ユリの花はいちじるしい虫媒花ちゅうばいかで、主として蝶々ちょうちょうが花を目当めあてに頻々ひんぴんと訪問する常得意じょうとくいである。それで美麗びれい花色かしょくが虫を呼ぶ看板かんばんとなっており、その花香かこうもまた虫をさそう一つの手引てびきをつとめている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
おもみちは一すぢなれと夏引なつびきの手引てびきのいとみだれぐるしきはこひなるかや優子ゆうこ元來もとよりさいはじけならず柔和をとなしけれど悧發りはつにてもの道理ことはりあきらかに分別わきまへながららきはれぬむねくもにうつ/\として
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これからきはこの祖父じじかみさまのお手伝てつだいとして、そなたの手引てびきをして、是非ぜひともそなたを立派りっぱなものに仕上しあげてせるから、こちらへたとてけっしてけっして心細こころぼそいことも、また心配しんぱいなこともない。