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悪体
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あくたい
ふりがな文庫
“
悪体
(
あくたい
)” の例文
旧字:
惡體
などと、いつも
悪体
(
あくたい
)
をつくのです。
母親
(
ははおや
)
さえ、しまいには、ああこんな
子
(
こ
)
なら
生
(
うま
)
れない
方
(
ほう
)
がよっぽど
幸
(
しあわせ
)
だったと
思
(
おも
)
う
様
(
よう
)
になりました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
さんざッぱら恥をかかして置きやがって、今更腹にもない
悪体
(
あくたい
)
をついたもよく言えたもんだ。それ程おれが可愛けりゃ
小色
(
こいろ
)
の一人や二人大目に見て置くがいい。
あぢさゐ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
金
(
かね
)
の力で
活
(
い
)
きておりながら、金を
誹
(
そし
)
るのは、生んで貰った親に
悪体
(
あくたい
)
をつくと同じ事である。その金を作ってくれる実業家を軽んずるなら食わずに死んで見るがいい。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
上
(
うえ
)
に
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
つと
直
(
す
)
ぐに、この
野郎
(
やろう
)
、この
大馬鹿
(
おおばか
)
と
悪体
(
あくたい
)
が
初
(
はじ
)
まるので、これらは
大地主
(
おおじぬし
)
の
癖
(
くせ
)
であるが、
余
(
あま
)
り
感心
(
かんしん
)
した
風
(
ふう
)
では
無
(
な
)
い、とドクトルも
思
(
おも
)
うたのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
穏坊
(
をんばう
)
の
畜生
(
ちくしやう
)
、
此方
(
こつち
)
へ
這入
(
はいつ
)
て
来
(
き
)
やアがると
肯
(
きか
)
ねえぞ、
無闇
(
むやみ
)
に
這入
(
へいり
)
やアがるとオンボウ
焼
(
や
)
いて
押付
(
おつつ
)
けるぞ。と
悪体
(
あくたい
)
をつきながら
穏坊
(
をんばう
)
の
袖
(
そで
)
の
下
(
した
)
を
掻潜
(
かいくゞ
)
つてスーツと
駈出
(
かけだ
)
して
行
(
ゆ
)
きました。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
さあ
自棄
(
やけ
)
に成つて、それから
毒吐
(
どくつ
)
き出して、やあ店番の
埃被
(
ほこりかぶり
)
だの、
冷飯吃
(
ひやめしくら
)
ひの
雇人
(
やとひにん
)
がどうだのと、聞いちやゐられないやうな腹の立つ事を言やがるから、
這箇
(
こつち
)
も思切つて随分な
悪体
(
あくたい
)
を
吐
(
つ
)
いて遣つたわ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「ちょっと
伺
(
うか
)
がうが吹い子の向うづらと云うのはどう云う意味かね」「へん、手めえが
悪体
(
あくたい
)
をつかれてる癖に、その
訳
(
わけ
)
を聞きゃ世話あねえ、だから正月野郎だって事よ」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
坊が困るといわれた時には、実はこれ/\と打ち明けて云おうかと思ったが、
慦
(
なま
)
じい云えばお
母
(
っか
)
さんや惣吉の為にならんと思って思い切って、心にもない
悪体
(
あくたい
)
を云って出て来たが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
客等
(
きゃくら
)
が
立去
(
たちさ
)
ってからも、
彼
(
かれ
)
は
一人
(
ひとり
)
でまだしばらく
悪体
(
あくたい
)
を
吻
(
つ
)
いている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
敬太郎にはなぜこの主人が田口に対してこうまで
悪体
(
あくたい
)
を
吐
(
つ
)
くのかさっぱり訳が分らなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分がむかっ
腹
(
ぱら
)
を立てて
悪体
(
あくたい
)
を
吐
(
つ
)
いた事などは話のうちから
綺麗
(
きれい
)
に抜いてしまった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼のように無遠慮に自分に近づいて来るもの、富も位地もない癖に、彼のように大きな事を云うもの、彼のようにむやみに上流社会の
悪体
(
あくたい
)
を
吐
(
つ
)
くものにはけっして会った事がなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
体
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“悪体”で始まる語句
悪体交
悪体口