御緩ごゆつく)” の例文
また御出掛でかけですか。よござんす。洋燈ランプわたくしが気をけますから。——小母をばさんが先刻さつきからはらいたいつてたんですが、なにたいした事はないでせう。御緩ごゆつく
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
貴方あなた恐入りますが、もう少し御緩ごゆつくりお歩きなすつて下さいましな、私呼吸いきが切れて……」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
御緩ごゆつくさまで、』と左側ひだりがはの、たゝみ五十畳ごじふでふばかりの、だゞつぴろ帳場ちやうば、……真中まんなかおほきつた、自在留じざいとめの、ト尾鰭をひれねたこひかげから、でつぷりふとつたあかがほして亭主ていしゆふ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『は、御緩ごゆつくり。』
葉書 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
さあ/\御緩ごゆつく御拜おをがみをなさりまし、おまをしますとも、てまへは。……貴下あなたをおすゝぎなさるなんのと、加減かげん水惡戲みづいたづらをなさつて、たもと引摺ひきずると不可いけません。さあ、そでちませう。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『は。御緩ごゆつくり。』
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)