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ごめんこうむ
ふりがな文庫
“
御免蒙
(
ごめんこうむ
)” の例文
詳
(
くわ
)
しく云うと、暇がかかるから、このくらいで
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
って先へ進みます。現代の理想が美でなければ、善であろうか、愛であろうか。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうしてみると、あなた方は、ああ言う当人があんな人ならば、
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ると言わるるかも知れぬが、私は一体、地が悪い、土台が悪いのです。
人格の養成
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「実は、これから、御存知の剣のお師匠、脇田先生へ、お顔出しいたそうとする途中でござりまする。いずれ、では、大恩寺前とやらへ——
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
りまする」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
お登和は余計な事といわぬばかりに「それではともかくも
拵
(
こしら
)
えておきましょう、大原さん
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ります」
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「家では
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
りますよ。そんなにしてまで犬を貰って戴くこともないじゃありませんか?」
好人物
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
このアイスランドがデンマーク領たることを
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
り独立してしまってからは、イギリス軍やアメリカ軍の進駐となり、古い淋しいアイスランドは急に夜が明けたように
賑
(
にぎ
)
やかになった。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ろうよ。——金や女があり過ぎて、殺されそうな気がする人間なんか、俺は付き合いたくないよ、——そう言ってやるが宜い。百までも生きたいと思うなら、出家遁世でもするが宜いとな。
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「僕もとにかく新聞記者ですよ。耳の痛いことは
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
りますかね。」
冬
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
が、見馴れぬものが少しでもあると、
可恐
(
こわ
)
がって近づかぬ。一日でも二日でも遠くの方へ
退
(
の
)
いている。
尤
(
もっと
)
も、時にはこっちから、
故
(
わざ
)
とおいでの儀を
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
る事がある。
物干
(
ものほし
)
へ
蒲団
(
ふとん
)
を干す時である。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
先生は
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
る、予は懸巻も畏くは大嫌い、
真平御免
(
まっぴらごめん
)
だ。
明治文明史上に於ける福沢翁
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
それで
皆
(
みん
)
な
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
って岡田より先へ食事を済ました。岡田はそれがこっちも勝手だといった風に、
独
(
ひと
)
り
膳
(
ぜん
)
を控えて
盃
(
さかずき
)
を
甜
(
な
)
め続けた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そいつは
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ろう、向島じゃ縄張
違
(
ちげ
)
えだ」
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そんなこんなで好く眠られなかった朝、もう看病は
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
るという気で、病院の方へ橋を渡った。すると病人はまだすやすや眠っていた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「行ってもいいがね。どうせ今に御飯を食べる時に、いっしょになるはずになってるんだから、
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ってその時にしようかと思ってるのよ」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
説明してやりたいが
到底
(
とうてい
)
分る奴ではないから、まず一応の挨拶をして出来得る限り早く
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
るに
若
(
し
)
くはないと決心した。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「なに、まあ御話し。もう小夜が帰る時分だから。寝たければ
私
(
わたし
)
の方で
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
って寝る。それにまだ話も残っているから」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕の頭にこういう影が射した時、すぐ
後
(
あと
)
から
跟
(
つ
)
いて
上
(
あが
)
って来る高木が、これじゃ暑くってたまらない、
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
って
雨防衣
(
レインコート
)
を脱ごうと云い出した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
頁が足らんからと云うて、おいそれと
甕
(
かめ
)
から
這
(
は
)
い上る様では猫の
沽券
(
こけん
)
にも関わる事だから
是丈
(
これだけ
)
は
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ることに致した。
『吾輩は猫である』下篇自序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「……
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
り
度候
(
たくそろ
)
。もっとも事情の許す場合には御……」と云うのを投げ込む。「……はとうてい辛抱致しかね……」と云うのを裏返して見る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この和歌山市から和歌の浦までちょっと使いに行って来いと言われた時に、出来得るなら誰しも
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
りたい。
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
世の中に泣くべき事がどれほどあると思う。隣りのお嬢さんが泣くのを拝見するのは面白い。これを記述するのも面白い。しかし同じように泣くのは
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
りたい。
写生文
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そりゃ改めてまた伺いますが、何しろ今の御依頼だけは
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ります。僕には僕の名誉がありますから。いくら兄さんのためだって、名誉まで犠牲にはできません」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もう
厭
(
いや
)
になったからこれで
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
る。実は僕の先生の話しをしたいのだがね。よほど奇人で面白いのだから。しかし少々頭がいたいからこれで御勘弁を願おう。四月九日夜。
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「失礼ですがちょっと
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ります。——なにまだ伺いたい事があるから待っていて下さい」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ハハハ
呑気
(
のんき
)
なもんだ。喧嘩にも強そうだが、足の強いのには
驚
(
おどろ
)
いたよ。君といっしょでなければ、きのうここまでくる勇気はなかったよ。実は途中で
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ろうかと思った」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私はこの通り背広で
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
るような訳で、御話の面白さもまたこの服装の相違くらい
懸隔
(
けんかく
)
しているかも知れませんから、まずその辺のところと思って辛抱してお聴きを願います。
中味と形式
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
受持の範囲をきめて名をつけるだけの事であります。私はごく単純に耳目を喜ばす美しいもの、美しい音くらいで
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ります。もっとも美醜を通じて同範囲のものを入れます。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
叔母も「じゃあたしは
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ってお先へお湯に入ろう」と云いながら立ち上った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さりながら妙齢なる美人より申し込まれたるこの果し状を
真平
(
まっぴら
)
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ると握りつぶす訳には行かない、いやしくも文明の教育を受けたる紳士が婦人に対する尊敬を失しては
生涯
(
しょうがい
)
の不面目だし
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こうなると少々気の毒な感はあるが運動のためだから仕方がない。
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ってたちまち前面へ
馳
(
か
)
け抜ける。君は惰性で急廻転が出来ないからやはりやむを得ず前進してくる。その鼻をなぐりつける。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
また天才か、どうか天才呼ばわりだけは
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
りたいね。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
免
常用漢字
中学
部首:⼉
8画
蒙
漢検準1級
部首:⾋
13画
“御免”で始まる語句
御免
御免下
御免成
御免遊
御免安
御免々々
御免御免
御免可被下候
御免檜物荷物