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弾劾
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だんがい
ふりがな文庫
“
弾劾
(
だんがい
)” の例文
もし貢を納めるのがいい、とイエス様が言われたなら、パリサイ派の者がイエスを非難し、彼をば非愛国者として民衆の前に
弾劾
(
だんがい
)
しよう。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
王侍御を
弾劾
(
だんがい
)
してはかえって危険であると思って、弾劾することはとうとうやめてしまい、それから王侍御に交際を求めていくようになった。
小翠
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
信雄の
無節操
(
むせっそう
)
を
弾劾
(
だんがい
)
し、出し抜かれて、窮地に立った徳川方の立場を——また天下への面目をどうするか——と、みな悲涙をたたえて
憤慨
(
ふんがい
)
した。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
決心の近因になつた不正裁判は、賞罰明ならずと云ふ部類に入れて、十太夫を
弾劾
(
だんがい
)
することに重きを置かず、專ら忠之の反省を求めることにした。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
各自五分間ずつの落語協会大幹部の
弾劾
(
だんがい
)
演説、あるいは憤りあるいは叫び、怖しくもまた物凄しと大薩摩の文句をそのままのすさまじさを顕現した。
わが寄席青春録
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
▼ もっと見る
そこには皮肉な、然し熱烈な聡明が
窺
(
うかが
)
われないではない。私はどうしてそれらの人を
弾劾
(
だんがい
)
することが出来よう。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
普通選挙だの労働問題だの、いわゆる時事に関する論議は、田舎
訛
(
なまり
)
がないとどうも釣合がわるい。
垢抜
(
あかぬ
)
けのした東京の言葉じゃ内閣
弾劾
(
だんがい
)
の演説も出来まいじゃないか。
十日の菊
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
尾崎
咢堂
(
がくどう
)
、犬養木堂の両堂が、真ッ向から肉薄した
弾劾
(
だんがい
)
演説は、日本の雄弁史に永遠に残るものだ。
胡堂百話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
沼南が議政壇に最後の
光焔
(
こうえん
)
を放ったのはシーメンス事件を
弾劾
(
だんがい
)
した大演説であった。沼南の
直截
(
ちょくせつ
)
痛烈な長広舌はこの種の弾劾演説に掛けては近代政治界の第一人者であった。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
それ探って
弾劾
(
だんがい
)
せんと、心掛けし頃には用もあったが、逃げ水屋敷の田沼の行跡、それをこの眼で見た以上、それ一つだけを取り上げて、弾劾いたしてもいたすこと出来る。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ここで非道なものを
弾劾
(
だんがい
)
している言葉の重圧は、あらゆる道徳的懐疑からの、
奈落
(
ならく
)
に対する共感からの転向を宣明し、いっさいを理解するのはいっさいをゆるすことだという
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
それ故に神尾主膳らが、能登守を忌み嫌うというのも単に感情の問題のみで、仕事の上では
嫉視
(
しっし
)
を受けるような成功もしなければ、
弾劾
(
だんがい
)
を受けるような失態もしていませんでした。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
此方
(
こっち
)
もやるんだ。吉川君の遣口は第二候補者にも済まない。万一の場合の用心に引っ張って置くなんて、不誠実極まる。此方は正義の立場から
弾劾
(
だんがい
)
するんだから些っとも構わない」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
原(敬)総理大臣に対する正面を切っての
弾劾
(
だんがい
)
演説だけに、議会を大混乱に陥れ、ついに懲罰問題をひき起す結果を生じたが、それだけに永井は完全に目的を達したといっていいかも知れぬ。
叛骨・中野正剛:――主観的な覚え書き
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
が、それが人生観の根拠として置かれたとなると、それはもはや単なる感傷ではありえない。それは人間の肉体的欲望及びその上に築かれたあらゆる思想、制度、努力等に対する
弾劾
(
だんがい
)
である。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
すなわち
我輩
(
わがはい
)
の
所望
(
しょもう
)
なれども、今その
然
(
しか
)
らずして
恰
(
あたか
)
も国家の功臣を
以
(
もっ
)
て
傲然
(
ごうぜん
)
自
(
みず
)
から
居
(
お
)
るがごとき、必ずしも
窮屈
(
きゅうくつ
)
なる
三河武士
(
みかわぶし
)
の筆法を以て
弾劾
(
だんがい
)
するを
須
(
ま
)
たず、世界
立国
(
りっこく
)
の
常情
(
じょうじょう
)
に
訴
(
うった
)
えて
愧
(
はず
)
るなきを得ず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「彼は、漢の朝廷から任命された太守ではないんだ。われわれはそういう
朦朧
(
もうろう
)
地方官に服する理由をもたない」と、
弾劾
(
だんがい
)
する声の日にまして高くなってきたことである。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
最初の
計画
(
もくろみ
)
を
掣肘
(
せいちゅう
)
し——自分自身掣肘し、ああでもあるまいこうでもあるまいかと、躊躇逡巡
右顧左眄
(
うこさべん
)
、仏心を出している間に、彼奴らいわば長袖者流、結託なして余を
弾劾
(
だんがい
)
!
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一年あまりして王は給諌の党から
弾劾
(
だんがい
)
せられて免官になった。王の家に一つの
玉瓶
(
ぎょくへい
)
があった。広西
中丞
(
ちゅうじょう
)
が小さな過失があって
譴責
(
けんせき
)
を受けた時に
賄賂
(
わいろ
)
として贈って来たものであった。
小翠
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
中にも安芸は主君のために、暴虐の臣を
弾劾
(
だんがい
)
することを主とし、領分の境を正すことを従とした。これが安芸の成功した
所以
(
ゆゑん
)
である。渡辺は
伊達宮内少輔
(
だてくないせういう
)
に預けられて絶食して死んだ。
椙原品
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
といって、主膳には断じて、それを
弾劾
(
だんがい
)
したり、
諷諫
(
ふうかん
)
を試みたりする資格はない。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
として以下、ひとつ何々、ひとつ何々の事というふうに、信長が日ごろ義昭にいだいている不満、苦情、
鬱懐
(
うっかい
)
などのかずかずを、箇条書として、痛烈に
弾劾
(
だんがい
)
したものであった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうして彼自身偽造の遺言——将軍様ご遺言をふりかざし、西丸様を
弾劾
(
だんがい
)
し、京師五摂家の公達一人を
奉戴
(
ほうたい
)
して十一代将軍とし、自身は大老となる
心算
(
しんさん
)
とか。……越中守様そう申されたよ」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と、いったという大塔ノ宮の
弾劾
(
だんがい
)
は、宮中をおどろかせた。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“弾劾”の解説
弾劾(だんがい、en: Impeachment、インピーチメント)とは、身分保障された官職にある者を、義務違反や非行などの事由で、議会の訴追によって罷免し、処罰する手続き。弾劾主義。これにちなみ相手を非難する表現にもなっている。
(出典:Wikipedia)
弾
常用漢字
中学
部首:⼸
12画
劾
常用漢字
中学
部首:⼒
8画
“弾劾”で始まる語句
弾劾文
弾劾状
弾劾者