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幾千
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いくせん
しばらくすると、
此の
毛蟲が、
盡く
眞白な
蝶になつて、
枝にも、
葉にも、
再び
花片を
散らして
舞つて
亂るゝ。
幾千とも
數を
知らない。
蛙の
声がます/\
高くなる、これはまた
仰山な、
何百、
何うして
幾千と
居て
鳴いてるので、
幾千の
蛙が
一ツ
一ツ
眼があつて、
口があつて、
足があつて、
身躰があつて、
水ン
中に
居て
勇將猛士幾千の
髭ある
面を
列ねし
如き、さても
石垣の
俤かな。