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幼兒
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えうじ
是が
子供に
關する
夫婦の
過去であつた。
此苦い
經驗を
甞めた
彼等は、それ
以後幼兒に
就て
餘り
多くを
語るを
好まなかつた。
それでも
幼兒の
死ぬのは
瘡ツ
子だからといふのみで
病毒の
慘害を
知る
筈もなく
隨つて
怖れる
筈もなかつた。お
品の
母は
非常な
貧乏な
寡婦で、
足が
立つか
立たぬのお
品を
懷にして
悲慘な
生活をして
居た。
又或は死の床に生れ落つる
幼兒の名によりて告ぐ。
一
週間の
後、
二人の
血を
分けた
情の
塊は
遂に
冷たくなつた。
御米は
幼兒の
亡骸を
抱いて