ならび)” の例文
うりに參らんといましちより受出して來たる衣服いふくならび省愼たしなみの大小をたいし立派なる出立いでたちに支度なして居たる處へ同じ長家に居る彼張子かのはりこ釣鐘つりがね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
翌日になりますと、新吉原町辨天屋祐三郎抱え紅梅ならびに下河原園八郎という清左衞門の弟をお呼出しに相成るという一寸一息つきまして。
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
九年一号及び十年一号に挿入せるスケッチにりて、日光火山群の一部、高原ならびに那須火山塊の外はぼ尽されているが
望岳都東京 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
大伴家持は、天平感宝元年五月十二日、越中国守の館で、「陸奥みちのく国よりくがねを出せる詔書をことほぐ歌一首ならびに短歌」を作った。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「元千代様御読書御相手御用ならびに侍講是迄の通相勤候様にとの御事に候。御留書頭之当番并に奥入御免遊ばさる。」
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
同寺から高野こうやへ送った武田家品物の目録書の稿の中に、飯縄本尊ならびに法次第一冊信玄公御随身みずいしんとあることが甲斐国志かいこくし巻七十六に見えているから、飯綱の法も行ったか知れぬ。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
やがて先生ふくされ、予、近日の飲食いんしょく御起居ごききょ如何いかんと問えば、先生、左右さゆうの手をりょうそでのうちに入れ、御覧ごらんの通りきものはこの通り何んでもかまいませぬ、食物はさかなならび肉類にくるいは一切用いず
富士観象会の目的ならびにその事務の大要はせて前段の主趣ならびに規則書等につまびらかなり。
これは家持作だが、天平勝宝七歳三月三日、防人さきもり撿校けんぎょうする勅使、ならびに兵部使人等、ともつどえる飲宴うたげで、兵部少輔大伴家持の作ったものである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そへて差上申べしと云ければ後藤始め大いに悦び夫は何よりの幸ひ何分頼むと有りけるに八五郎は後藤ごとうならびに夫婦の者の素性すじやうくはしく書状にしたゝめ是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「同月同日。元千代様御読書御相手御用。阿部八助と申合せ相勤めならびに侍講をも相勤め候様にとの御事に候。」
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
きゝ母子諸共おやこもろとも先番屋へ引上ひきあげ勘兵衞が後家の家主をよび段々だん/\掛合かけあひの上屆に及びしかば檢使けんし出張しゆつちやうにて勘兵衞後家ごけならびに太七が口書くちがき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
朶雲拝誦だうんはいしょうまずもって老兄足下そっか御勝常賀し奉候。したがつて小官無異勤学、御省念これ祈る。然れば御草稿拝見感吟の処少からず。仰せに従ひ僭評せんぴょうならびに枕山評つかまつるべく候。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)