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崩折
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くづを
ふりがな文庫
“
崩折
(
くづを
)” の例文
三郎兵衞は言ふべきことを言つてしまつて、力が盡き果てやうに、平次の掛けて居る石の前、同じやうな捨石にガツクリ
崩折
(
くづを
)
れました。
銭形平次捕物控:304 嫁の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかし情ないと思つて思ひ
崩折
(
くづを
)
れてはゐられなかつた。更に初めから出立して、再びそこに行くことを心懸けねばならなかつた。
心の階段
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
袖
(
そで
)
で
雪洞
(
ぼんぼり
)
の
灯
(
ひ
)
をぴつたり
伏
(
ふ
)
せたが、フツと
消
(
き
)
えるや、よろ/\として、
崩折
(
くづを
)
れる
状
(
さま
)
に、
縁側
(
えんがは
)
へ、
退
(
しさ
)
りかゝるのを、
空
(
そら
)
なぐれに
煽
(
あふ
)
つた
簾
(
すだれ
)
が、ばたりと
音
(
おと
)
して、
卷込
(
まきこ
)
むが
如
(
ごと
)
く
姿
(
すがた
)
を
掻消
(
かきけ
)
す。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして、私はなぜか泣き出したいやうな寂しさを
覺
(
おぼ
)
えて、ひるまうとする、
崩折
(
くづを
)
れようとする自分をさへ見出さずにはゐられなかつた。が、そこで私は自分を
鞭
(
むち
)
打ちながら踏み
留
(
とゞ
)
まつた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
入替
(
いりかは
)
りて一番手の弓の折は貫一の
背
(
そびら
)
を
袈裟掛
(
けさがけ
)
に打据ゑければ、起きも得せで、
崩折
(
くづを
)
るるを、畳みかけんとする
隙
(
ひま
)
に、手元に
脱捨
(
ぬぎす
)
てたりし
駒下駄
(
こまげた
)
を取るより早く、彼の
面
(
おもて
)
を望みて投げたるが
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
弥撒
(
ミサ
)
を行ふ間は、わが心自づと強く、身も
緊
(
しま
)
つて、尊い葡萄酒の
輝
(
かゞやき
)
は眼に満ちわたり、聖なる
御油
(
みあぶら
)
に思も潤ふが、このわが廊堂の人げない処へ来ると、此世の
疲
(
つかれ
)
に
崩折
(
くづを
)
れて、
跼
(
くゞ
)
まるとも
構
(
かまひ
)
ない。
法王の祈祷
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
お縫は柱の下に
崩折
(
くづを
)
れました。それをチラリと振り向いた門太郎は、思ひ直した樣子で庭木戸から外へ出て行つてしまひます。
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼の
階子
(
はしご
)
を下り行くと
斉
(
ひとし
)
く貴婦人は再び
鏡
(
グラス
)
を取りて、
葉越
(
はごし
)
の面影を望みしが、一目見るより
漸含
(
さしぐ
)
む涙に曇らされて、
忽
(
たちま
)
ち
文色
(
あいろ
)
も分かずなりぬ。彼は
静無
(
しどな
)
く椅子に
崩折
(
くづを
)
れて、
縦
(
ほしいま
)
まに泣乱したり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お輝の照代は、そのまゝ力が
盡
(
つ
)
きて、ヘタヘタと、碎かれた人形のやうに、娘お幾の燃えるやうな
茜裏
(
あかねうら
)
の布團の上に
崩折
(
くづを
)
れてしまひました。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お國は氣が遠くなつたやうに其處へ
崩折
(
くづを
)
れると何に驚いたか、寢付いたばかりの新太郎は、火の付くやうに泣き出しました。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
入つて來たのは
乳母
(
ばあや
)
のお霜でした。平次の顏を見ると、いきなり疊へ
崩折
(
くづを
)
れて、赤ん坊のやうにシクシク泣き始めたのです。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
離屋
(
はなれ
)
の一と間で、誰とも知れぬ者の手で、胸を一とゑぐり、聲も立てずに死んだのでせう。縁側に
崩折
(
くづを
)
れたまゝ、血汐の中に息が絶えて居りました。
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これではならぬと——滿身の力を兩の
拳
(
こぶし
)
にこめ、兩眼を見開いて氣を勵ましましたが、泥醉した人のやうに
崩折
(
くづを
)
れて、その努力も永くは續きません。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ヘタヘタと
崩折
(
くづを
)
れたところを見ると、長い間の不養生に
蝕
(
むし
)
ばまれて、此女の肉體は見る蔭もない哀れなものです。
銭形平次捕物控:169 櫛の文字
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
新助はすつかり恐入ると急に背中の傷が痛み出したらしく、縛られたまゝ疊の上へ
崩折
(
くづを
)
れました。
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の論告の前に、主人孫右衞門は、床の上へ、ヘタヘタと
崩折
(
くづを
)
れました。これが起き出して、窓から曲者を引入れたとは思へないほどの、
朽木
(
くちき
)
のやうな哀れな姿です。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
疊の上に
崩折
(
くづを
)
れた死骸も、不斷着の着流しのまゝ、引き起して見ると、胸から顏へかけての凄まじい斑點、横井源太郎と同じく、南蠻物の毒による毒死に間違ひもありません。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何時の間にやら彦兵衞は、朝の大地の上に
崩折
(
くづを
)
れて、錢形平次を拜んでゐたのです。
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お萬が案内してくれたのは、たつた二た間の次の部屋、床は敷いてありますが、それを隅の方に押しつくねて、古い疊の上に、五十男の伊八が、ボロきれのやうに
崩折
(
くづを
)
れて居るのです。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彦兵衞は
崩折
(
くづを
)
れました。合せた手が
顎
(
あご
)
の下に、涙に濡れてワナワナと顫へます。
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お篠はガラリと調子を變へると、
崩折
(
くづを
)
れるやうに其處に坐つてしまひました。
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お照は平次の前へ
崩折
(
くづを
)
れました、華奢で品の良い娘ですが、前掛を外して濡れた手を拭くと——その手だけが、顏にも身輕にも似ず、痛々しく水仕事に荒れて、妙に八五郎の感傷をそゝります。
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう一度さういつて、橋の上に
崩折
(
くづを
)
れた男の首根つこを押へました。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
藤左衞門はよろ/\と
崩折
(
くづを
)
れて、鳩谷小八郎に
援
(
たす
)
けられました。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お秀は自分の手を後ろに廻して
崩折
(
くづを
)
れるのでした。
銭形平次捕物控:157 娘の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
崩
常用漢字
中学
部首:⼭
11画
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
“崩”で始まる語句
崩
崩御
崩壊
崩壞
崩潰
崩殂
崩壞物
崩落
崩穴
崩頽