“くづを”の漢字の書き方と例文
語句割合
崩折100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、私はなぜか泣き出したいやうな寂しさをおぼえて、ひるまうとする、崩折くづをれようとする自分をさへ見出さずにはゐられなかつた。が、そこで私は自分をむち打ちながら踏みとゞまつた。
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
入替いりかはりて一番手の弓の折は貫一のそびら袈裟掛けさがけに打据ゑければ、起きも得せで、崩折くづをるるを、畳みかけんとするひまに、手元に脱捨ぬぎすてたりし駒下駄こまげたを取るより早く、彼のおもてを望みて投げたるが
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
弥撒ミサを行ふ間は、わが心自づと強く、身もしまつて、尊い葡萄酒のかゞやきは眼に満ちわたり、聖なる御油みあぶらに思も潤ふが、このわが廊堂の人げない処へ来ると、此世のつかれ崩折くづをれて、くゞまるともかまひない。
法王の祈祷 (新字旧仮名) / マルセル・シュウォッブ(著)