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崛起
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くっき
ふりがな文庫
“
崛起
(
くっき
)” の例文
私の想像する新文学——そのころの新文学というと申すまでもなく
尾崎紅葉
(
おざきこうよう
)
、
幸田露伴
(
こうだろはん
)
の
崛起
(
くっき
)
した時代で、二氏を始め
美妙
(
びみょう
)
、
鴎外
(
おうがい
)
俳句とはどんなものか
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
ツマリ「文学士春の屋おぼろ」のために
崛起
(
くっき
)
したので、坪内君
莫
(
な
)
かっせばあるいは小説を書く気には一生ならなかったかも知れぬ。
明治の文学の開拓者:――坪内逍遥――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
燕
(
つばくろ
)
岳、台原山の連脈が東沢
乗越
(
のっこし
)
で一旦低下して更に餓鬼、唐沢の二山を
崛起
(
くっき
)
しているが、此処から見た餓鬼岳の姿は
素派
(
すば
)
らしいものである。
美ヶ原
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
その鬼神の楼閣一下して、墻壁となるかと思われしが、また
崛起
(
くっき
)
して楼閣を起し、二長瀑を
挂
(
か
)
く。右なるは三百尺、左なるは五百尺もやあらん。
層雲峡より大雪山へ
(新字新仮名)
/
大町桂月
(著)
虁龍
(
きりゅう
)
高位に在りは建文帝をいう。山霊蔵するを
容
(
ゆる
)
さず以下数句、
燕王
(
えんおう
)
に
召出
(
めしいだ
)
されしをいう。神龍氷湫より起るの句は、燕王
崛起
(
くっき
)
の事をいう。
道
(
い
)
い得て
佳
(
か
)
なり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
正義を基礎とする唯一のものたる民主国においても、時として一部が権力を
壟断
(
ろうだん
)
することがある。その時全部が
崛起
(
くっき
)
し、権利回復の必要上武器を取るに至る。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「北側の山麓は広漠たる乾燥した砂礫の斜面で、その
縁
(
ふち
)
にそって、極度に不毛の丘陵が
崛起
(
くっき
)
」している。
『西遊記』の夢
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
だが岸には港湾らしきものはない、なおその上に砂地の付近には、のこぎりの歯のような
岩礁
(
がんしょう
)
がところどころに
崛起
(
くっき
)
して、おしよせる波にものすごい
泡
(
あわ
)
をとばしている。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
それゆえ一朝事情が変ずれば勿ち雌伏したものは雄飛し、
崛起
(
くっき
)
して第一のものを覆す。そうしてそれが調整する余地がなければその時に大抵個物は破壊される。個人は滅亡する。
錯覚自我説
(新字新仮名)
/
辻潤
(著)
モンテ・ファルコの山は平野から暗い空に
崛起
(
くっき
)
しておごそかにこっちを見つめていた。
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
さては和尚も苔むしたかと思われるほど、その逞しく巨大な姿は谷底に
崛起
(
くっき
)
する岩石めき、まるまると盛りあがる額も頬も、垢にすすけて、黒々と岩肌の
光沢
(
こうたく
)
を放つばかりであった。
閑山
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
余は群雄の
崛起
(
くっき
)
をもってむしろ小盗の屏息を促すものだと考える。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
邇
(
ちか
)
く水陸を
画
(
かぎ
)
れる一帯の連山中に
崛起
(
くっき
)
せる、
御神楽嶽飯豊山
(
おかぐらがたけいいとよさん
)
の腰を
十重二十重
(
とえはたえ
)
に
縈
(
めぐ
)
れる
灰汁
(
あく
)
のごとき
靄
(
もや
)
は、
揺曳
(
ようえい
)
して
巓
(
いただき
)
に
騰
(
のぼ
)
り、
見
(
み
)
る見る天上に
蔓
(
はびこ
)
りて、怪物などの今や時を得んずるにはあらざるかと
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
九十の老齢で今なお病を養いつつ女の頭領として仰がれる
矢島楫子刀自
(
やじまかじことじ
)
を初め今は
疾
(
とっ
)
くに鬼籍に入った木村
鐙子
(
とうこ
)
夫人や
中島湘烟
(
なかじましょうえん
)
夫人は皆当時に
崛起
(
くっき
)
した。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
反
(
かえっ
)
て八ヶ岳のような大火山を附近に
崛起
(
くっき
)
せしめたのであろうと、
贔負目
(
ひいきめ
)
の大太鼓を叩いて置く。
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
など
崛起
(
くっき
)
し、南に連りて旭岳孤立す。
層雲峡より大雪山へ
(新字新仮名)
/
大町桂月
(著)
果然、
万年上田
(
かずとしうえだ
)
博士が帰朝して赤門派が
崛起
(
くっき
)
すると硯友社の勢威が幾分か薄くなった。続いて早稲田派が新
旗幟
(
きし
)
を建つるに
到
(
いた
)
って、硯友社は
復
(
ま
)
た更に幾分か勢力を削がれた。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
急に悪沢の大岳を
崛起
(
くっき
)
し、更に赤石山、聖岳となって、三千米以上の天空に大地の波頭を白く蹴上げ、余れる力に上河内岳をグイと引き起して、再び白峰山脈の後に没している。
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
前は近く弥陀ヶ原の高原と並行して、其縁を限る大日岳の連嶺が奥大日、大日、小大日の諸峰を
崛起
(
くっき
)
し、余脈を遠く西に走らせて、末は富山平原の上に
漾
(
ただよ
)
う層雲の中に没している。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
かかる折から卒然
崛起
(
くっき
)
して新文学の
大旆
(
たいはい
)
を建てたは文学士
春廼舎朧
(
はるのやおぼろ
)
であった。
四十年前:――新文学の曙光――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
四方の英才
俊髦
(
しゅんぼう
)
一時に
崛起
(
くっき
)
して雄を競うていた。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
崛
漢検1級
部首:⼭
11画
起
常用漢字
小3
部首:⾛
10画
“崛”で始まる語句
崛強
崛竟
崛踞