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屋賃
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やちん
ふりがな文庫
“
屋賃
(
やちん
)” の例文
すべて社会改良家といふものは、猫の餌を見ては、直ぐその生活費を考へ、
燕
(
つばめ
)
の巣を見ては、
屋賃
(
やちん
)
を訊かないでは
居
(
を
)
られない、世話好きの人達である。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その
外
(
ほか
)
に
迎年
(
げいねん
)
の
支度
(
したく
)
としては、
小殿原
(
ごまめ
)
を
熬
(
い
)
つて、
煑染
(
にしめ
)
を
重詰
(
ぢゆうづめ
)
にする
位
(
くらゐ
)
なものであつた。
大晦日
(
おほみそか
)
の
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
つて、
宗助
(
そうすけ
)
は
挨拶
(
あいさつ
)
旁
(
かた/″\
)
屋賃
(
やちん
)
を
持
(
も
)
つて、
坂井
(
さかゐ
)
の
家
(
いへ
)
に
行
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
殊
(
こと
)
に便所は座敷の
傍
(
わき
)
の細い
濡椽
(
ぬれえん
)
伝いに
母家
(
おもや
)
と離れている様な具合、当人も
頗
(
すこぶ
)
る気に入ったので
直
(
すぐ
)
に
家主
(
やぬし
)
の
家
(
うち
)
へ行って相談してみると、
屋賃
(
やちん
)
も思ったより
安値
(
やす
)
いから非常に喜んで
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
一體
(
いつたい
)
三間
(
みま
)
ばかりの
棟割長屋
(
むねわりながや
)
に、
八疊
(
はちでふ
)
も、
京間
(
きやうま
)
で
廣々
(
ひろ/″\
)
として、
柱
(
はしら
)
に
唐草彫
(
からくさぼり
)
の
釘
(
くぎ
)
かくしなどがあらうと
言
(
い
)
ふ、
書院
(
しよゐん
)
づくりの
一座敷
(
ひとざしき
)
を、
無理
(
むり
)
に
附着
(
つきつ
)
けて、
屋賃
(
やちん
)
をお
邸
(
やしき
)
なみにしたのであるから、
天井
(
てんじやう
)
は
高
(
たか
)
いが
くさびら
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「さうして
屋賃
(
やちん
)
でも
負
(
ま
)
けて
貰
(
もら
)
ふ
事
(
こと
)
にしやう」と
答
(
こた
)
へた
儘
(
まゝ
)
、
宗助
(
そうすけ
)
はついに
坂井
(
さかゐ
)
へは
行
(
い
)
かなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
愚
(
ぐ
)
なるものは主人にあらず、吾輩にあらず、
家主
(
やぬし
)
の伝兵衛である。いないかな、いないかな、下駄屋はいないかなと桐の方で催促しているのに知らん
面
(
かお
)
をして
屋賃
(
やちん
)
ばかり取り立てにくる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
賃
常用漢字
小6
部首:⾙
13画
“屋”で始まる語句
屋
屋根
屋敷
屋外
屋内
屋根瓦
屋形
屋上
屋台
屋形船