小道こみち)” の例文
わたしが、まちて、さびしい、小道こみちをいくと、はたけで、むしがないていました。まだ、ふけともならぬのに、いものに、もうつゆがおりていました。
水七景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一つの小道こみちには神官しんかん見張小屋みはりごやっています、それでおそくなりました。なにしろ二十一日間、ものをべないでは夜の寒気かんきや雨の日にえきれません。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おもての道や、小道こみちにもでてみました。もしかしたら、となりの農場のうじょうまよいこみはしなかったかと、そこへもいってみました。とうとうしまいには、トーケルンきしべもさがしてみました。
あけに名の知らぬ花さく野の小道こみちいそぎたまふな小傘をがさ一人ひとり
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
小道こみちで二里たらずです」
「おじいさんにいてみるわ。わたしうちはあすこなのよ。」と、少女しょうじょは、さきになって、小道こみちはしっていきました。薬売くすりうりの少年しょうねんは、すこしおくれていていくと
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、あとも見ずに、あなたの小道こみちへ、すたこらとかけだしてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぼくたちは、んぼの、小道こみちあるいて、もりのあるむらとおり、そして、さびしい小山こやまのふもとへました。
水七景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしは、小道こみちをいきました。みちりょうがわに、かぼちゃばたけがあって、黄色きいろはないていました。くまばちが、みつをさがしに、はななかへはいったり、たりしていました。
白壁のうち (新字新仮名) / 小川未明(著)
松原まつばらへつづいている小道こみちで、一人ひとり少女しょうじょがしきりにしたいて、なにかさがしていました。
薬売りの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なつ時分じぶんには、小道こみちをふさいで、たかびていた、きびや、もろこしのは、褐色かっしょくれて、くきだけが、しろさびのたとおもわれるほど、かさかさにひからびて、気味悪きみわるひかっていました。
死と話した人 (新字新仮名) / 小川未明(著)