容顏ようがん)” の例文
新字:容顔
おう」は普通ふつう乞食こつじきひとしく、かげもなき貧民ひんみんなり。頭髮とうはつ婦人をんなのごとくながびたるをむすばず、かたよりれてかゝといたる。跣足せんそくにて行歩かうほはなはけんなり。容顏ようがん隱險いんけんび、みゝさとく、するどし。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
知らねばうたがはるゝも道理もつともなりいで其譯そのわけは斯々なり宵に御身たちが出行いでゆきし跡へ年の頃廿歳ばかり容顏ようがんうるはしき若者來れりいづれにも九しうへん大盡だいじん子息むすこならずば大家たいけつかはるゝ者なるべし此大雪にみち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
他へ縁付えんづけざる中はむかへ難し殊に我等未だ三十にも足ざれば急ぐにも及ばずとて請引うけひかざるにぞ當時の若者には珍敷めづらしきなりと一家中ほめざる者は無りける又妹お花と云は當年十六歳にて容顏ようがん美麗びれいなるは我朝の小町唐土もろこし楊貴妃やうきひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)