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害
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そこ
ふりがな文庫
“
害
(
そこ
)” の例文
「近代的」親切であらうが、これによつて祭典の荘厳と気品はひどく
害
(
そこ
)
なはれたことはたしかだ。まことの信仰の為しうるところではない。
君臣相念
(新字旧仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
土地生産物の価格騰貴が本来ならば齎らすべき農業に対する好結果を
害
(
そこ
)
ねてしまうことを、注意しなければならぬからである。
人口論:03 第三篇 人口原理より生ずる害悪を除去する目的をもってかつて社会に提案または実施された種々の制度または方策について
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
曹操の乗っていた馬が、どうしたのか、ふと、野鳩の羽音におどろいて、急にはねあがり、麦畑へ狂いこんで、麦を
害
(
そこ
)
ねた。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
殊に最後の問いに対しては気分を
害
(
そこ
)
ねたらしく、そんなはしたないことが! とばかりに、ろくろく返事もしなかった。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
清逸のことだから元来
羸弱
(
るいじゃく
)
な健康を
害
(
そこ
)
ねても何んとかするであろうが、それまでの苦心を息子一人にさせておくのは親の本能が許さなかったろう。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
管弦楽を指揮したサージェントが、甚だ不満足であるとしても、
甚
(
はなはだ
)
しくシュナーベルの黄金盤を
害
(
そこ
)
ねるとは言われない。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
その問題に間接に不正直に手をつけて、諸君はそれを長く
害
(
そこ
)
なった。諸君は芝居をした。芝居は失敗に終わった。
死刑囚最後の日
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
終いには人畜を
害
(
そこ
)
ねなければ溜飲が下らなくなってしまうという始末の悪い迷信的潔癖性に富んでいた。
ゼーロン
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
だからあなたは
間牒
(
かんてふ
)
や密告者の眞似をしたのでせう。そして永久に私の未來を
害
(
そこ
)
ねてしまつたのでせう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
然れば則ち二人の者の罪、上は天子の明勅に違い、下は幕府の大義を
害
(
そこ
)
ない、内は列侯士民の望に
背
(
そむ
)
き、外は
虎狼
(
ころう
)
渓壑
(
けいがく
)
の欲を
飽
(
あ
)
かしむ。極天窮地、
俯仰
(
ふぎょう
)
容るるなし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
の
弥次
(
やじ
)
に完全に封じ込まれて、何度も壇上に立往生した末、七年間の恥と苦痛に健康を
害
(
そこ
)
ねている。卒倒してしまった。才腕ある士だったが、まもなく政界を
退
(
ひ
)
いている。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
方々
流浪
(
るろう
)
した果てに、やっとここに落ち着くことになったお神の芳村民子の山勘なやり口が、何か本家との間に事件を起こし、
機嫌
(
きげん
)
を
害
(
そこ
)
ねたところから、看板を取りあげられ
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
しかるに、のっけから人魂と流星の事で早くも神月の感情を
害
(
そこ
)
ねたのはどういう訳だい。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
よほどの事が、あったにちがいございませぬ。昨年の春、健康いよいよ
害
(
そこ
)
ねて、今は、明確に退社して居ります。百日くらいまえに私はかれの自宅の病室を見舞ったのでございます。
虚構の春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
故意
(
わざ
)
と今日は権高に振る舞い、
焦心
(
じら
)
して焦心して訊いたところ、
妾
(
わたし
)
の機嫌を
害
(
そこ
)
ねまいとしてか、ほんの
最近
(
いましがた
)
酔った口から、うかうかみんな
喋舌
(
しゃべ
)
ってしもうた……右衛門さんとは、
以前
(
まえ
)
からの約束
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
腹を
害
(
そこ
)
ねて臥っている牧師を案じて、お松は
気忙
(
きぜわ
)
しかった。近道をして家の前へ出てみると消燈して、窓は黒く寂しい。お松はドアを押した。みんな寝てしまったのかと思った。会堂で物音がした。
反逆
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
「旦那は奥様にゃ頭が上んなさらねいから、お邸ん中のこたあ何にも御存知ねいが、ちょっとでも奥様の御機嫌を
害
(
そこ
)
ねりゃ、
今日
(
きょうび
)
たちまちこれでさあ!」
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
演奏旅行は九回にわたり、
姉弟
(
きょうだい
)
の人気はいやが上にも高まるばかりであったが、この旅行のためにモーツァルトの健康は一生涯
害
(
そこ
)
なわれたことも事実である。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
一つの性質を改善しようとしてもう一つの美を
害
(
そこ
)
ねてしまうかもしれない。その大きさを増そうとして肥料を余計使えばおそらく
萼
(
がく
)
が破れて直ちに均斉が失われてしまうであろう。
人口論:03 第三篇 人口原理より生ずる害悪を除去する目的をもってかつて社会に提案または実施された種々の制度または方策について
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
「ただ、おん身こそ、気候風土の変る越路へ下られて、身を
害
(
そこ
)
ねぬように」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父親の持病は
綺麗
(
きれい
)
さっぱりとは行かず、二日仕事場にすわると、三日も休むというふうで、小山で働いていた妹たちも健康を
害
(
そこ
)
ねて家で休んでおり、銀子の
稼
(
かせ
)
ぎではやっぱり追いつかず、大川の水に
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
すべてを
害
(
そこ
)
ない
凋
(
しぼ
)
ます死刑囚の息吹きのせいである。
死刑囚最後の日
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
背が低くて青黒くて、不攝生な生活と酒毒にやられたブヨブヨした身體、昔はいくらか良かつたであらうと思はれる眼鼻立も、この不健康に
害
(
そこ
)
ねられて、まともに見る影もありません。
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
辛
(
つら
)
くても謹慎して、少しでも憲兵隊の心証を
害
(
そこ
)
なってはいけないと、父が心配して……わたくしたち、ラジオも写真機も、持っておりませんでしょう? 憲兵がここまで家宅捜査に来て
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
“害”の解説
仏教用語での害(がい)(sa: vihiṃsā、ヴィヒンサー)は、仏教が教える煩悩のひとつ。
害意。他者への思いやりの心が無い状態、すなわち、慈悲心無き心の状態をさす。大善地法の「不害 (アヒンサー)」の逆 。
説一切有部の五位七十五法のうち、小煩悩地法の一つ。唯識派の『大乗百法明門論』によれば随煩悩位に分類され、そのうち小随煩悩である。
(出典:Wikipedia)
害
常用漢字
小4
部首:⼧
10画
“害”を含む語句
殺害
迫害
妨害
損害
生害
禍害
障害
要害
御生害
惨害
障害物
被害者
有害
害意
殺害者
殘害
水害
被害妄想
残害
自害
...