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しゅうし
ふりがな文庫
“
宗旨
(
しゅうし
)” の例文
准后の
廉子
(
やすこ
)
にしろ、
賢
(
かしこ
)
すぎるくらいな女性だ。文観の
宗旨
(
しゅうし
)
がたんなる邪教や
愚昧
(
ぐまい
)
な説法にすぎぬなら、それにたばかられるはずはない。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元来わたくしの身には
遵奉
(
じゅんぽう
)
すべき
宗旨
(
しゅうし
)
がなかった。西洋人をして言わしめたら、無神論者とか、リーブル・パンサウールとか称するものであろう。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
なりにもふりにもかまわずに荒浜のほうまで
宗旨
(
しゅうし
)
をひろめに行くうちに、そんな漁師ことばの通弁がつとまるほど、いい耳を持つようになったのです。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
わしは永年の外国住いで、日本のお
宗旨
(
しゅうし
)
には縁がなくなっているという理由でS市唯一の
耶蘇
(
ヤソ
)
会堂を式場と定め、万事西洋流の儀式を行うことにした。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
Kは
真宗寺
(
しんしゅうでら
)
に生れた男でした。しかし彼の傾向は中学時代から決して生家の
宗旨
(
しゅうし
)
に近いものではなかったのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
と星野牧師は説教の材料にでもするのか
宗旨
(
しゅうし
)
の審問に取りかゝった。三輪さんは素より西も東も分らない。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
一気に
繁昌
(
はんじょう
)
に
赴
(
おもむ
)
いたが、もとより
普
(
あま
)
ねく病難貧苦を救うて現安後楽の願ひを
成就
(
じょうじゅ
)
せんとの
宗旨
(
しゅうし
)
であれば、やがて
江州
(
ごうしゅう
)
伊吹山
(
いぶきやま
)
に五十町四方の地を
拓
(
ひら
)
いて薬草園となし
ハビアン説法
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
で俺は今日から
宗旨
(
しゅうし
)
を変えて、
遅蒔
(
おそま
)
きながら左膳を真似て殿にお太鼓をたたくつもり、心の変った俺にとっては、石地蔵のようなそちはかえって邪魔というのじゃ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そう云う
臆病
(
おくびょう
)
ものを
崇
(
あが
)
める
宗旨
(
しゅうし
)
に何の
取柄
(
とりえ
)
がございましょう? またそう云う臆病ものの流れを
汲
(
く
)
んだあなたとなれば、世にない夫の
位牌
(
いはい
)
の手前も
倅
(
せがれ
)
の病は見せられません。
おしの
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
自分の家の
宗旨
(
しゅうし
)
は火葬であるから、死骸を焼いてしまえば何も証拠が残らないことになる。どうしても死骸を寝かしている間になんとか決めてくれないでは困るというのであった。
半七捕物帳:13 弁天娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
だから小さい時から釣鐘の音やあの
宗旨
(
しゅうし
)
で使う念仏の
鉦
(
かね
)
の音は聞き
慣
(
な
)
れていたんです。それは今でも耳についていて忘れません。そのためか鐘の音を聞くと僕は妙に考えさせられます。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
しかるに検校が父祖代々の
宗旨
(
しゅうし
)
を捨てて浄土宗に
換
(
か
)
えたのは墓になっても春琴女の
側
(
そば
)
を離れまいという
殉情
(
じゅんじょう
)
から出たもので、春琴女の存生中、早くすでに師弟の法名、この二つの墓石の位置
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
馬「
私
(
わたくし
)
は初めて来たので、尤もお
宗旨
(
しゅうし
)
で無いからだが何うも素敵で」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「天竜寺という名前だけは知っていらあ、
宗旨
(
しゅうし
)
は何だか知らねえ」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
段々お
宗旨
(
しゅうし
)
が
寂
(
さび
)
れます。こちらは
何
(
なに
)
お宗旨だか知りませんが。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「たとえばだよ、おまえの
宗旨
(
しゅうし
)
は
法華
(
ほっけ
)
だそうだが、おまえが
艱難
(
かんなん
)
に
克
(
か
)
とうとするときは、
日蓮
(
にちれん
)
のつよい意志を思い出して、自分の意志を励まそうとするだろう」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひどいのは、
一寸
(
ちょっと
)
した商人でさえも、先ず
宗旨
(
しゅうし
)
を確めた上でなければ出入を許さないという始末でした。
黒手組
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
お
宗旨
(
しゅうし
)
は曹洞、かなりの大きなお寺でございます……そこに、一件のお喋りの盲法師が逗留していることを突留めましたものですから、もうこっちのものだと
小躍
(
こおど
)
りをして、早速お寺を尋ねましてな
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「君、社長の
宗旨
(
しゅうし
)
は何だね?」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それにひきかえて、このごろの座敷の客のおもしろさ、みんな、生きてる人間だよ、ぴちぴちしたお侍だよ、江戸生まれの私も、
宗旨
(
しゅうし
)
変えして、勤王方の肩持ちになりたくなる。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
××教といってね、あなたなんか多分御承知ないでしょうが、まあ天理教や金光教の親類みたいなものです。
尤
(
もっと
)
も、
宗旨
(
しゅうし
)
のものにいわせれば、それや色々もっ
体
(
たい
)
らしい理窟があるのですけれど。
盗難
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「どうしていけないたって、第一、観音様と切支丹は
宗旨
(
しゅうし
)
が違う」
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「おおさ、人間なれやこそ、
宗旨
(
しゅうし
)
をかえた。ひとの宗旨がえに、邪魔するな」
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“宗旨”の意味
《名詞》
宗 旨(しゅうし)
ある宗教で重点的に説く事柄。
宗教の中の流派。
ある人の主義、主張、趣味。
(出典:Wiktionary)
宗
常用漢字
小6
部首:⼧
8画
旨
常用漢字
中学
部首:⽇
6画
“宗旨”で始まる語句
宗旨替
宗旨変
宗旨換
宗旨更