孤島はなれじま)” の例文
本國ほんごく日本につぽん立去たちさつたひと其人そのひといまかる孤島はなれじまうへにて會合くわいごうするとは、意外いぐわいも、意外いぐわいも、わたくし暫時しばし五里霧中ごりむちう彷徨はうくわうしたのである。
ほかの墓とは別に、孤島はなれじまのように少しばかり土を盛り上げたところに、無縫塔むほうとうのような形をした高さ一尺ばかりの石が一つ置いてあるだけでありました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そうすりゃお蝶の方も、もうあれッきり、ふッつり切れた、私はこう孤島はなれじまに独り残されたようで心細い、胸騒むなさわぎのするのはそのために違いないんです、お可愧はずかしいね
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其他そのた利己心りこしんおほ人々ひと/″\覬覦きゆから、完全くわんぜんその秘密ひみつたもたんがめに、みづか此樣こん孤島はなれじましのばせて、その製造せいぞうをもきわめて内密ないみつにして次第しだいだが——。
其樣そのやうこと如何どうして出來できませう。れば百計ひやくけいつき塲合ばあひには、たとへ海底戰鬪艇かいていせんとうていとも永久えいきゆうこの孤島はなれじま朽果くちはつるとも、無謀むぼう本島ほんたう出發しゆつぱつすること出來できません。きみ左樣さうでせう。