“孤塁”の読み方と例文
旧字:孤壘
読み方割合
こるい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やむなく、夜毎に、全山に大篝火おおかがりびを焚きつらねて、彼方の味方の孤塁こるいに、遠く、士気を添えている程度にとどまった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二千余年の長夜の暗漸やく明けて、この国に新らしき生命の光もゆるや、彼もまた単身孤塁こるい吟杖ぎんぢやうふるつて赤門校裡の書窓より新声を絶叫したるの一人なりき。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あたり一帯を、官員屋敷に取り囲まれてしまった中にはさまって、せめてもこの孤塁こるいだけは守り通そうというように、うるんだ灯のいろの残っている街だった。
山県有朋の靴 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)