失言しつげん)” の例文
そのうへ趣味しゆみひろく——たとへば最近さいきん、その三上みかみ對手あひてとして、いいとしをしながら(失言しつげん?)將棋しやうぎ稽古けいこしかけたりしてゐる。
「今のはベラントの失言しつげんでございます。博士、世界をたちまち慴伏しょうふくさせる新兵器といたしましては、どんなものを御在庫ございこになっていましょうか」
かの鵞鳥がてうこゑ婦人ふじんくちあんぐり、眞赤まつかになつて白黒しろくろにしてる、さだめて先刻せんこく失言しつげんをば後悔こうくわいしてるのであらう。
持出し伊賀亮どの貴殿きでん只今の失言しつげん聞惡きゝにくし則ち御落胤らくいん相違さうゐなき證據は是にありとく拜見はいけんあるべしと出し示せば伊賀亮苦笑にがわらひしながらさらば拜見せんと手に取上これはまがひなきたう將軍家の御直筆ごぢきひつなり又御短刀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
失言しつげん失言。もういいじゃないか」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
社會的しやくわいてき觀察くわんさつすれば、よめにもらひのない女文士をんなぶんし救濟家きうさいか(この一失言しつげん取消とりけし。こんなこともあらうかと、はじめに、みな美人びじんだと、御世辭おせじをいつておいたのだが)
ほら、いまどき銀座通を歩けば、すぐぶつかるような時局柄じきょくがらをわきまえない安い西洋菓子のような若い女! あの人たちの表情を見習うんですな。いや、これは女性の前で、ちと失言しつげんをしたようだ
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
とにかく、メンスのあがつた女性ぢよせいで(どうもこれも失言しつげんらしいが)いてます/\さかん(これもまた失言しつげんらしいが)なのは、關西くわんさいでは林歌子はやしうたこ關東くわんとうでは長谷川時雨はせがはしぐれだけである。