天地間てんちかん)” の例文
こうだぜ——吾輩は美学を専攻するつもりだから天地間てんちかんの面白い出来事はなるべく写生しておいて将来の参考に供さなければならん、気の毒だの
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
天地間てんちかんぼくにんとりかず。ぼくしばらく絶頂ぜつちやういしつてた。このときこひもなければ失戀しつれんもない、たゞ悽愴せいさうかんえず、我生わがせい孤獨こどくかざるをなかつた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
天地間てんちかんの千にんまさりの勇士ゆうしだというに、どうしていれずみをしているのです。
この天地間てんちかんぼくあいし、またぼくあいするものこの少女せうぢよばかりといふふう感情こゝろもちた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
天地間てんちかん最早もはや小山某こやまなにがしといふかきの書生しよせいなくなる! とぼくおもつたときおもはずあしとゞめた。あたまうへ眞黒まつくろしげつたえだからみづがぼた/\ちる、墓穴はかあなのやうな溪底たにそこではみづげきしてながれるおとすごひゞく。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)