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大髻
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おおたぶさ
ふりがな文庫
“
大髻
(
おおたぶさ
)” の例文
露八は、どこで工面して来たのか、坊主頭に
大髻
(
おおたぶさ
)
の
鬘
(
かつら
)
をかぶって、大小をたばさみ、白緒の草履で、りゅうとしてやって来たのであった。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
年齢
(
とし
)
三十五六にして色白く、鼻筋通り、口元の締った眉毛の濃い、青髭の生えた
大髻
(
おおたぶさ
)
で、二十日も剃らない
月代頭
(
さかやきあたま
)
でございます。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
突き袖かなんかしやがって、武士たる者が不用心ななりで女郎買なんかに行くから、命から二番目の
大髻
(
おおたぶさ
)
を切られるのさ。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
総髪の
大髻
(
おおたぶさ
)
に髪を結い、黒の紋附きに白縞袴を穿いた、わたしの見知らないお侍様が
凛々
(
りり
)
しい重みのある澄んだ声で、そう捕吏たちに云いました。
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
赤茶けた髪を
大髻
(
おおたぶさ
)
に取り上げて、左眼はうつろにくぼみ、残りの、皮肉に笑っている細い右眼から口尻へ、右の頬に溝のような深い一線の刀痕がめだつ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
その前後に二人の
鬚武者
(
ひげむしゃ
)
が立ちはだかっていた。二人とも笠は持たず、浪人らしい古紋付に
大髻
(
おおたぶさ
)
の
裁付袴
(
たっつけばかま
)
である。
無反
(
むそ
)
りの
革柄
(
かわづか
)
を押えている横肥りの方が笑ったらしい。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
主水はもう二人の子持ちで、
大髻
(
おおたぶさ
)
に結っていたころのような水の垂れるような美少年ではない。
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
見ますとね、下の
店前
(
みせッさき
)
に、八角の大火鉢を、ぐるりと人間の
巌
(
いわ
)
のごとく取巻いて、
大髻
(
おおたぶさ
)
の相撲連中九人ばかり、峰を
聳
(
そばだ
)
て、谷を
展
(
ひら
)
いて、
湯呑
(
ゆのみ
)
で
煽
(
あお
)
り、片口、丼、谷川の流れるように飲んでいる。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……見ると
大髻
(
おおたぶさ
)
の若衆頭、着物は木綿物では有りまするが、生れ付いての器量
好
(
よ
)
しで、芝居でする久松の出たようです。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
箒
(
ほうき
)
のような
赭茶
(
あかちゃ
)
けた毛を、
大髻
(
おおたぶさ
)
にとりあげ、右眼はうつろにくぼみ、残りの左の眼は、ほそく皮肉に笑っている。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
新九郎はこの寮へ来てから、髪も伸びるままにしていたのを、今朝、御方が鏡台を出して、前を五分月代に、後ろの切下げを折り
大髻
(
おおたぶさ
)
に結い直してくれたのである。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それらを
尾行
(
つ
)
けて来たかのように、忍び足して歩いて来、その時側の木立の蔭へ、身を隠して腕組みをし、こっちを見ている
大髻
(
おおたぶさ
)
の武士へチラリと視線を投げやった。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
髪は白
元結
(
もとゆい
)
できりりと巻いた
大髻
(
おおたぶさ
)
で、
白繻子
(
しろじゅす
)
の下着に褐色無地の
定紋附羽二重
(
じょうもんつきはぶたえ
)
小袖、献上博多白地
独鈷
(
とっこ
)
の角帯に
藍棒縞仙台平
(
あいぼうじませんだいひら
)
の裏附の
袴
(
はかま
)
、
黒縮緬
(
くろちりめん
)
の紋附羽織に
白紐
(
しろひも
)
を胸高に結び
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
あいも変わらぬ天下
御免
(
ごめん
)
の乞食姿、六尺近い体躯に
貧乏徳利
(
びんぼうどくり
)
をぶらさげて、
大髻
(
おおたぶさ
)
を
藁
(
わら
)
で束ねたいでたちのまま。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
桜場清六のほうは、赭ら顔の
大髻
(
おおたぶさ
)
。眼尻が吊しあがって、いかにも険相な面構えなのに、黒木屋五造は、色白のおっとりとした丸顔で、田舎の大店の若旦那にふさわしいようす。
顎十郎捕物帳:23 猫眼の男
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
大髻
(
おおたぶさ
)
に黒紋付、年恰好は二十五六、筋肉逞しく大兵肥満、威圧するような風采である。小兵で痩せぎすで蒼白くて商人まる出しの京伝にとっては、どうでも苦手でなければならない。
戯作者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
道楽旗本だから髪も
大髻
(
おおたぶさ
)
ではなく、
小髷
(
こまげ
)
で、
鬢
(
びん
)
がうすいので、ちょっと見ると、八丁堀に地面をもらって裕福に暮らしている、町奉行支配の
与力
(
よりき
)
に似ているところから
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その時往来の
反対
(
むこう
)
の方から、一つの人影が近付いて来た。月光が肩にこぼれていた。浪士風の大男であった。
大髻
(
おおたぶさ
)
に黒紋付き、袴無しの着流しであった。しずしずこっちへ近寄って来た。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と、煙突掃除みたいな
大髻
(
おおたぶさ
)
のあたまをかかえて、長火鉢の猫板に左膳の肘を突き、筆といっしょに顎をささえて一つッきりの眼をしかめ、ウンウンうなってるところは、まことに珍妙な図。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
総髪の
大髻
(
おおたぶさ
)
、紋付きの衣裳に白袴、色白の好男子であった。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
大髻
(
おおたぶさ
)
の乱れ髪が、蒼白い
額部
(
ひたい
)
に深い影を作り、ゲッソリ痩せた頬。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
伊賀袴を
穿
(
は
)
いた
大髻
(
おおたぶさ
)
の中年の一人がこう云うと
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
髪は総髪の
大髻
(
おおたぶさ
)
で、
髻
(
もとどり
)
の紐は
濃紫
(
こむらさき
)
であった。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
すると、
大髻
(
おおたぶさ
)
がガクガクゆらぐ。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
髻
漢検1級
部首:⾽
16画
“大”で始まる語句
大
大人
大事
大袈裟
大分
大切
大抵
大概
大方
大丈夫