ます)” の例文
ただまえに挙げた『ますかがみ』のものがたりをあたまにおいてかまくらの初期ごろにここで当年の大宮人おおみやびとたちが四季おりおりの遊宴を
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
私の母は、埼玉県下高野しもたかの村の東大寺という修験しゅげんの家の出であります。その家の姓は菅原すがわら道補どうほという人の次女で、名をますといいました。
もっとも自分で書いて自分で雑誌を出す道楽な文士は多少ますかも知れないが、それは実施の上になって見なければ分らない。
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
最初におかれた下谷したやの家から、おます麹町こうじまちの方へ移って来たのはその年の秋のころであった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
わけおくり申べしまつは久しき樣なれども只一すぢつとめ上早々立歸りて元の田地取戻し候はゞ先祖への面目めんぼく親への孝行是にます事なし能々よく/\聞分て給はれと申ければ叔母女房も得心とくしんしてにはかたび用意ようい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
くだんの亀の化石、本草家の鑒定かんてい秦亀しんきならば一そうちんますべし。山にてほりたりとあれば秦亀しんきにちかきやうなり。化石といふものあまた見しに、多はちひさきものにてあるひはまたかたちまつたきまれなり。
口説き落してすぐ、砂土原町の後家のおますに眼をつけたんだ
日は落ちてますかとぞみゆる春の水 几董
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
尚々父親の不憫ふびんますなるべし。
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
くだんの亀の化石、本草家の鑒定かんてい秦亀しんきならば一そうちんますべし。山にてほりたりとあれば秦亀しんきにちかきやうなり。化石といふものあまた見しに、多はちひさきものにてあるひはまたかたちまつたきまれなり。
その水無瀬の宮というのは『ますかがみ』の「おどろのした」に
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
まね國許くにもとより是なる家來けらい參り合せて金子も手に入たれば御案事ごあんじ下さるまじ是よりは主從三人に成て御世話おせわますならんが今少し御厄介ごやつかいに成たしと言けるに亭主もいとゞよろこび夫は何より重疊ちようでふなり日外いつぞやより申通り御逗留ごとうりうの事は何時いつ迄にても仔細しさいなしとて此日は酒肴など出して忠八を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)