場處ばしよ)” の例文
新字:場処
此處こゝなりれます。』と老爺ぢいさんぼくそばこしおろして煙草たばこひだした。けれど一人ひとり竿さをだけ場處ばしよだからボズさんはたゞ見物けんぶつをしてた。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
また禽類きんるゐ習性しふせいとして、毎夜まいよ、おなじ場處ばしよ、おなじに、えだに、かつび、かつとまるものださうである。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
場處ばしよ小石川こいしかは植物園しよくぶつゑんにちかく物靜ものしづかなれば、すこしの不便ふべんきずにしてほかにはまをむねのなき貸家かしやありけり、かどはしらふだをはりしより大凡おほよそ三月みつきごしにもなりけれど、いまだに住人すみてのさだまらで
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
火災かさい避難ひなんおいては旋風せんぷうおそはれさうな場處ばしよけること。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)